いよいよ来年4月に廃止となる、JR根室本線の富良野〜新得間。ここは閑散区間が続くため、18きっぷ旅行でも難関となります。どう攻略すればいいのでしょうか。

1日わずかの移動チャンス どうクリア

 2016年から一部区間で不通がつづく根室本線の富良野〜新得間(81.7km)が、2024年4月1日に廃止されます。


根室本線の富良野〜東鹿越を走る気動車(乗りものニュース編集部撮影)。

 ここはもともと列車本数が極端に少ない超閑散区間だっただけでなく、隣接する滝川〜富良野や、富良野線(旭川〜富良野)すら閑散区間です。さらに南側では青春18きっぷユーザーにとって“地獄の鬼門”でしかない「新得〜新夕張」のルートと隣接しており、乗り通すのは非常に困難です。どうやって「最後のお別れ」乗車をすると効率的なのでしょうか。

【富良野〜新得】1日4往復
富良野発:7:17●、14:14、16:48●、19:02●
新得発 :8:00●、13:57●、16:21、18:37●

 上記●は滝川発着便。3往復もあり、意外と便利です。新得に到着してそのまま富良野へ折り返す計画も立てられます。

 問題は「新得乗り継ぎ」です。新得から千歳・札幌方面へ通じる石勝線新得〜新夕張間は、特急しか走っていません。そのため「18きっぷ」はこの区間だけ利用する場合、特例として特急に乗れます。その距離、89.4km。

「タダで特急!? なんと太っ腹な!」と思うかもしれませんが、新得〜富良野と乗り継ぐ場合、チャンスはなんと「1日1回」。しかも新夕張駅と新得駅の接続が次のとおり破滅的なので、かなりの覚悟が必要です。

特急使用が「ほぼ必須」の難関

【千歳〜新夕張〜新得】
千歳発
・11:11千歳→12:10新夕張(3時間20分待ち)→16:33新得(2時間4分待ち)
・17:26千歳→18:25新夕張(7分待ち)→19:33新得(接続不可能)

千歳行き
・9:21新得(7分待ち)→10:28新夕張(2時間9分待ち)→13:57千歳
・15:55新得(接続列車なし)→16:52新夕張(1時間50分待ち)→19:45千歳

 つまり、ぐるっと回る形で廃止区間に乗るなら、1日1回のチャンスをものにするしかありません。ところが、帯広方面に足を向けるなら、旅程は少し現実的になります。

【帯広〜新得】
帯広発
・5:54池田→帯広→7:53新得(7分待ち)
・14:41帯広→15:36新得(45分待ち)
・17:05帯広→17:53新得(44分待ち)

帯広行き
・9:25新得(11分待ち)→10:20帯広
・16:41(20分待ち)→帯広→21:04釧路
・18:57(11分待ち)→19:55帯広
・21:04(10分待ち)→帯広→22:47池田

 このように、打って変わって接続良好。やはり、かつての大動脈である「根室本線」の名残と言えるかもしれません。

 千歳・札幌方面へはやはり特急が最強です。何と言っても1時間に1本レベルの高頻度運転で、新得〜南千歳間をわずか1時間半弱で結びます。18きっぷ旅行の最終手段で、普通列車の移動を諦めて一部区間だけ特急移動する「特急ワープ」を使わざるを得ない閑散区間は多々ありますが、ここもその一つと言えるでしょう。

 ちなみに、その場合に追加で払わないといけない運賃・料金の合計は4690円。もし時間に制限のある旅行計画であれば、思い切って課金するのも手かもしれません。