数少ない″まともな道″ 東京都心から西へ伸びる「5本の主要道路」とは 各地でバイパス計画も進行中
東京都心から西部、北多摩や埼玉南部へ伸びる4車線道路はあまり多くありません。道路交通情報で頻繁に現れる5本の道路を知らないと、生活道路を延々と進むことにもなりかねません。
かつての「街道筋」が今の主要道路になった
東京都心から西側へ広がる、北多摩地域や埼玉南部のベッドタウン。それら地域と都心を結ぶ「主要幹線道路」と言える道路はさほど多くなく、生活道路レベルの道路がそれらを連絡しているのが現状です。
主要な幹線道路がどこをどう通っているかを知らず、当てずっぽうで行くと、延々と生活道路を走る羽目になることも。まずは以下5本の主要道路を頭に入れておくといいでしょう。
荻窪付近の青梅街道(画像:写真AC)。
●川越街道(国道254号)
池袋から東武東上線に並行する形で「左上」へ伸びる道路です。埼玉の和光・朝霞・新座・三芳・ふじみ野を経て、人口35万人を抱える中核市・川越へ、都心から直結する大動脈です。
その重要性からとにかく交通が集中し、信号が連続するため混雑が慢性化しています。さらに新座市の国道463号を過ぎると、いまだに2車線。急ぐ人は並行する関越道を利用します。
昔ながらの川越街道の混雑を分散させるため、北側には富士見市〜川越市で「富士見川越バイパス」が開通済み。それをさらに南へ延伸させる「和光富士見バイパス」の整備が進んでおり、将来的には首都高5号や国道17号などを経て都心〜川越が快適な道路で結ばれることとなります。
●目白通り・新目白通り
九段下から早稲田を抜け、練馬区の中央部を西へ進む4車線道路です。「練馬所沢線」を構成する道路で、新座・東久留米・清瀬を経由して埼玉南西部・入間地域まで直結する大動脈に……というのは将来の話。今のところ、都心から関越道の練馬ICや外環道の大泉ICまでをつなぐのが主な役割です。
ちなみに道路名称ですが、文京区江戸川橋から新宿区西落合一丁目までが「新目白通り」、その他は新目白通りの旧道部分含め「目白通り」とややこしくなっています。実際の会話では、「目白通りの広い道」と言っておけば通じるかもしれません。
遠い遠〜い八王子
●新青梅街道&青梅街道
新宿駅北側から西北西へ、荻窪・西東京・小平・東村山・東大和・武蔵村山を経由し、4車線道路で青梅までをむすぶ大動脈です。
名称が途中で変わり、田無をすぎると「新青梅街道」になります。厳密に言えば田無から都心側にも新青梅街道が通じていますが、こちらは2車線です。逆に田無以西は青梅街道が2車線道路のため、田無を境に「新青梅」の意味合いが異なってきます。
●甲州街道(国道20号)
新宿駅南側から京王線沿いに西へ西へ、調布・府中・日野・八王子を経由していく道路です。都心側こそ立体交差が比較的多いものの、多摩に入れば信号が多く、4車線確保されていながら狭く、混雑が慢性化しています。
そのためバイパス整備が進められており、日野市役所付近から「日野バイパスのさらにバイパス」が建設中。同じく建設中の「八王子南バイパス」を経由して、圏央道の高尾山ICまでをつなぐ計画となっています。
●東八道路
パンク状態の甲州街道の「都心側バイパス」として整備が進められている道路です。杉並区下高井戸で甲州街道から北へ分岐し、三鷹・府中市内を4車線道路で西へ抜けていきます。
長らく甲州街道と連絡しておらず多摩地域で完結する道路でしたが、2019年に都心側で甲州街道と接続。反対側は、国立インター入口交差点で再び甲州街道へ合流する計画で、その最後の工区がまだ事業中となっています。
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このほかにも都心と多摩を結ぶ路線としては、五日市街道や井の頭通りなどがありますが、どちらも狭い箇所が残るうえ、後者は武蔵野市で五日市街道に合流します。