客船「飛鳥II」も「回避操船」を発動、海賊船を退散させました。

客船「飛鳥II」も自力で対抗


日本郵船の客船「飛鳥II」の周辺を巡視する、海上保安庁のヘリ(画像:日本郵船)。

 日本郵船および郵船クルーズは2023年6月19日(月)、保有する客船「飛鳥II」が海賊に襲われたという想定で、官民連携の対処訓練をおこなったと発表しました。

 このような訓練は海上保安庁や国土交通省との合同でこれまでも幾度か行われており、昨年5月には商船三井のLNGタンカーが襲われたという想定で実施されています。

 場所は伊豆大島西方。「海賊と思われる不審な船舶に追跡・接近を受けている」と、「飛鳥II」から海上保安庁へ通報がはいります。「飛鳥II」は自力で「回避操船」を行い、不審船を退散させました。

 海賊は船を乗っ取るのが主目的なので、どうしても船内への侵入ができないと見ると、あきらめると考えられます。そのため、船に乗り移らせないようにするのが「回避操船」です。具体的にはジグザグ航行をはじめ、時にはアラーム吹鳴、消火ホースによる放水などもおこなわれるといいます。

 その後、海上保安庁の巡視船「あきつしま」が現場に到着。搭載されたヘリも巡回し、周囲の安全が確認されました。

 ちなみに、巡視船「あきつしま」は5月23日から東南アジア周辺海域の哨戒に入り、フィリピンへ寄港するなど1か月の海洋派遣に就いていました。6月20日の帰着までの途上で行われたのが、この訓練です。