部隊マークに3パターンあるって知っていました?

74式戦車最後の年に出た「都市型迷彩」

 岩手県滝沢市にある陸上自衛隊岩手駐屯地で2023年6月18日(日)、駐屯地創立66周年の記念行事が実施されました。

 新型コロナの影響により、制限なしの一般公開としては4年ぶりの実施となった今回の式典には人員400名、車両約100両が参加。今年度末をもって廃止される予定である第9戦車大隊の74式戦車や、コロナ禍中の2020年3月に創設された東北方面特科連隊の155mmりゅう弾砲FH70などが、統制のとれた車両行進や迫力ある訓練展示を披露していました。


観閲行進を行う特別塗装の74式戦車(2023年6月18日、伊藤 学撮影)。

 とくに第9戦車大隊は、最後の駐屯地記念行事ということで、通常迷彩のほかにグレー系を主体にした「都市型迷彩」と、ホワイトを大きく塗った「白色迷彩」の74式戦車も参加させ、来場者の注目を集めていました。

 ちなみに第9戦車大隊は部隊マークにも特徴があります。部隊マークは数字の「9」に馬を組み合わせたデザインですが、この馬のシルエットが大隊長車では金、中隊長車では白、そのほかの一般車は黒と色が違っています。

 このように同じデザインながら3パターン用意しているケースは全国的にも稀で、その点も岩手駐屯地・第9戦車大隊の74式戦車に関するポイントとなっていました。

 防衛省・陸上自衛隊の計画では、第9戦車大隊は2023年度中に、弘前駐屯地(青森県弘前市)所在の第9偵察隊と統合改編され、第9偵察戦闘大隊(仮称)へと生まれ変わる予定です。

 部隊そのものが廃止・新編となるため、現在の第9戦車大隊の部隊マークも74式戦車の退役とともに姿を消す模様です。

 なお、新編される第9偵察戦闘大隊には74式戦車の後継として、新型の16式機動戦闘車が配備される計画であることから、岩手駐屯地の一角において、宮城県の大和駐屯地から駆けつけた第22即応起動連隊の16式機動戦闘車も展示されていました。