中身ほとんど別物に? JR四国の看板特急、2度目の更新どうなるか聞いた 30年選手8000系
JR四国は予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」で使われる8000系をリニューアルすると発表しました。グリーン車と普通車指定席の座席交換を伴う大規模リニューアルですが、どのような室内空間になるのか、JR四国に聞きました。
グリーン車の床はかさあげ!?
JR四国は2023年5月下旬、特急「しおかぜ」「いしづち」として予讃線などで運用される8000系電車の大規模リニューアルを発表しました。8000系は1992(平成4)年に試作車が、翌1993(平成5)年3月のダイヤ改正で量産車が登場。2000年代にリニューアル工事が進められているので、今回は2度目となります。
このたび2度目のリニューアルが決定した、JR四国の8000系電車(安藤昌季撮影)。
座席鉄の筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、プレスリリースでいくつか気になった点があります。そこでJR四国の車両製造・管理部門の担当者へ、新生8000系についてインタビューを敢行。その結果、従来とは全く別物といえるくらい大きく変わりそうだということが分かりました。
――まずはグリーン車からお聞きします。8000系は、床面から側窓の下縁までの間隔は、普通車もグリーン車も同じはずですが、リリース画像ではグリーン車の方が、普通車よりも座席の装備位置が高いように見えます。これは「座席部分の床をかさ上げ」しているのでしょうか?
ご指摘の通りです。グリーン車は座席部分の床をかさ上げします。
――眺望性がかなり良くなりそうですね。グリーン車は通路の中心部分が、左右からの照明で輝いていますが、これはライトを設置するということでしょうか?
そうです。かさ上げした床にライトを設け、通路を照らす構造を計画しています。
――グリーン車の座席自体は、土讃線の特急「南風」などで使われている2700系気動車と同じものに見えますが、どうでしょうか?
はい、2700系の座席と同じものです。
――コンセントもある便利な座席で良いですね。予讃線の特急には新型8600系電車も使われていますが、枕を備えたこちらの座席と違うものとなった理由は何でしょうか? 振り子車両のため、座席の軽量化が必要という観点なのでしょうか?
ご指摘の通りで、軽量化された2700系の座席を採用しています。
普通車はどうなる?
――次に普通車指定席の座席について伺います。リニューアル後は2600系気動車とも2700系とも異なりますし、現在の8000系の座席とも座席の回転機構が異なるようです。これは、全くの新規座席に交換するということでしょうか?
はい。普通車指定席は各座席にコンセントを設けた新型座席に交換します。
――普通車の床が木目調になっていますが、これはフローリングにするのでしょうか
普通車指定席、普通車自由席とも、木目調の床敷物と交換します。
現行(第1回リニューアル後)の8000系の普通車(安藤昌季撮影)。
――4・5号車の普通車自由席は、最初にリニューアルした時の8000系の座席と同じフレームに見えます。これはモケットを張り替えるということでしょうか?
そうです。現行の8000系と同じ普通車指定席の座席を採用します。なお、モケットだけでなく、クッションの張り替えも行います。
――6・7号車の普通車自由席については、座席形状から見て、8000系登場時のオリジナル座席を色替えされるということでしょうか?
ご指摘の通りです。モケットとクッションを張り替え、床などの内装も変更します。
――歴代8000系の普通車座席「乗り比べ」もできるリニューアルで、楽しそうですね。本日はお忙しい中、お話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
※ ※ ※
リニューアルは順次実施され、最初の編成は12月に運行を開始します。その後は定期検査に合わせて年に2〜3編成の工事を行い、全編成が完了するのは2027年度ということです。