埼玉高速鉄道の延伸では、「埼玉スタジアム駅」と「中間駅」の新設が想定されています。現在は緑地や農地が広がっている中間駅周辺ですが、どのような開発が想定されているのでしょうか。

「中間駅」周辺はどんな場所?

 埼玉高速鉄道には、浦和美園から岩槻までの延伸計画があります。さいたま市は、浦和美園〜岩槻間に新設する「中間駅」周辺で、新たな街の開発を想定しています。


埼玉高速鉄道の車両(画像:写真AC)。

 さいたま市はJR京浜東北線に沿って市街地が広がりますが、東部エリアは開発があまり進んでいません。ここに位置する中間駅周辺は現在、緑地や農地が広がる市街化調整区域となっています。付近には「目白大学さいたま岩槻キャンパス」があるほか、西側には国道122号と東北自動車道が通っており、岩槻ICまでは約3.5キロの場所です。
 
 さいたま市は2023年3月、中間駅を対象にしたまちづくり方針を策定。駅周辺を「集合住宅エリア」「商業エリア」「戸建てエリア」「産業エリア」「公園」などに分けて整備することを想定しています。リモートワークや小商いなどが可能な「ゆとり居住街エリア」も設ける方針です。駅前にはシェアモビリティ拠点を新設し、シェアサイクルや超小型モビリティを導入することも盛り込んでいます。
 
 中間駅周辺は、目白大学と地域住民が連携した「大学街」を目指すとしています。産業エリアには、目白大学の保健医療分野を活かし、スポーツや健康、医療福祉の新事業を誘致することも視野に入れています。
 
 商業施設や子育て施設、福祉施設などの生活関連施設については、駅前の集合住宅の低層階に配置することを想定しています。また、鉄道高架下の空間を活かし、店舗などを誘致することによって賑わいを創出する方針です。
 
 埼玉高速鉄道の延伸区間となる浦和美園〜岩槻は約7.2キロ。「埼玉スタジアム駅」と「中間駅」の2駅を新設する予定です。浦和美園からは高架式で整備し、岩槻駅の手前で地下に入る構造で検討が進められています。さいたま市は2023年度中に鉄道事業者へ実施要請を行う予定で、今後動きが本格化することが見込まれます。