駅のホームで電車を待っていると、電車が来そうなタイミングで、頭上の1灯ライトがオレンジ色や緑色に点灯するのに気づきます。あのライトは一体何を意味しているのでしょうか。

誰のために何を表すもの?

 駅のホームで電車を待っていると、電車が来そうなタイミングで、頭上の1灯ライトがオレンジ色や緑色に点灯するのに気づきます。あのライトは一体何を意味しているのでしょうか。
 


電車が来る前などに光る謎のオレンジライト(乗りものニュース編集部撮影)。

 謎のライトの正式名称は「出発反応標識」と言います。車掌に「出発信号が赤以外」になったことを教えるものです。

 出発信号機はその名のとおり「駅を出発してもいいですよ」と示すためのもので、多くは線路の分岐器(ポイント)が適正な位置になっているかも示されます。簡素な駅をのぞき多くの駅に備わっています。

 運転士にとっては駅停車時に目の前にある存在で、発車準備が整うと、出発信号機を確認。青や黄色など、進行可能の現示なら発車できます。

 ところで、ダイヤが乱れているなどして、発車時刻になっても出発信号機が赤のままの場合、当然運転士は列車を発車させることができません。しかし車掌がそれに気づかず、いつも通り「発車時刻だ、ドアを閉めよう」と行動してしまうと、乗客が無意味に"カンヅメ"となってしまいます。

 そのため、出発信号機が車掌に見えにくい場合、ホームの中ほどに「出発反応標識」をぶら下げて、光っていれば出発可能な状態だとわかるようになっています。よく見ると、車掌も発車時刻が来ると、よくこのライトを指差し確認していることに気づきます。

 たいていの場合は電車がホームへ入線する前に出発可能な信号現示になっているため、電車が来る前のタイミングで早々とライトが点灯するというわけです。