ニチレイレディス初日に出場した丹萌乃【写真:Getty Images】

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国内ツアー・ニチレイレディスが開幕

 女子ゴルフの国内ツアー・ニチレイレディスが16日、千葉・袖ヶ浦CC新袖C(6621ヤード、パー72)で開幕した。約3年半ぶりのレギュラーツアー出場となった26歳・丹萌乃(ディライトワークス)は4バーディー、2ボギーの70で回り、2アンダーの24位で初日を終えた。2021年に7度目のプロテストで合格を掴んだ苦労人。「久々に会う選手も多かったですし、やっぱり雰囲気がステップ・アップ・ツアーとは全然違う」と噛み締めた。

 2019年11月の大王製紙エリエールレディス以来、約3年半ぶりのレギュラーツアーに主催者推薦で出場となった丹。「先週からショットが良くなりつつあり、大きく曲がることなく安定して18ホール回れた」と手応えを口にしたとおり、出だしの10番でバーディースタート。18番、1番を含め、4つのパー5のうち3つでスコアを伸ばした。

 愛媛・西条市出身。ゴルフ部のある高校への進学を希望し、環境面から岡山・作陽高へ進んだ。渋野日向子の2年先輩にあたる。卒業後からプロテストを受検するも、不合格が続いた。2015年度と2018年度で1打差に泣いた。それでもツアー予選会(QT)を経て、19年シーズンはツアー35試合に出場している。

 しかし20年からは規定が改正され、QT出場も「原則JLPGA会員」となった。プロテストに合格するしかない状態に。苦しかったが、一度もゴルフを辞めようとは思わなかった。

「ゴルフが好きなので。好きだから頑張ろう、それだけでした」

「丹ちゃんもできるよ」年上の選手の言葉が励みに

 コロナ禍で試合がなかった時、助けられたのは同学年や先輩ゴルファーの存在。工藤遥加、東浩子ら自分より上手い選手や、今季アクサレディスで優勝した山内日菜子、篠原まりあと合宿することで「ここに戻りたい」の意思を持ち続けられた。

 2021年11月、7度目の受験で遂にプロテスト合格。「嬉しいより安心、良かったって気持ちの方が大きかった。試合に出られるのがまず嬉しいし、両親、家族が一番喜んでくれた」と涙した。コロナ禍でプロ、研修生などに無料で練習させてくれた地元のエリエールゴルフクラブ松山にも感謝した。

 昨年はステップ・アップ・ツアーで実戦経験を積み、遂に今大会で3年半ぶりのレギュラーツアー出場。「推薦してくれた方に恩返しできるように結果を残したい」との思いを力に、悪くないスタートを切った。

 12月には27歳になる。「ステップでも遥加さんが優勝しているし、自分より年上の人が勝っている試合も多い。『丹ちゃんもできるよ』って、上の人に言ってもらえると自分も頑張りたいと思うし、同級生(山内日菜子)も優勝したのでなおさらそう思います」。QTで好成績を収め、来年の飛躍につなげるのが今季最大の目標。久々の舞台で弾みにできる成績を目指す。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)