「国際線の到着時間って読めないよね〜」問題、将来変わる?

次はシンガポールへ

 2023年6月12日にアメリカ・シアトルより成田空港へと初めて飛来した、アメリカの航空機メーカー、ボーイングが保有する珍しい飛行機「エコデモンストレーター・エクスプローラー」。この機が13日の13時すぎ、成田空港を離れ、シンガポールへ向かっています。


成田空港を離陸する「エコデモンストレーター・エクスプローラー」(2023年6月13日、乗りものニュース編集部撮影)。

「エコデモンストレーター・エクスプローラー」は、ボーイングの旅客機「ボーイング787-10」をベースとした機体で、新技術を実際の運航のなかで試験する「エコデモンストレーター・プログラム」試験機の最新型です。胴体デザインや尾翼は真っ白で、機首部分に「エコデモンストレーター・エクスプローラー」の文字とボーイングのロゴマークなどが入っています。

 今回、この機が成田空港へ飛来したのは、国土交通省航空局をはじめ米国、シンガポール、タイの計4か国の航空当局が共同した「次世代航空交通システム」の実現への取り組みへの一環で、世界初となる実際の旅客機を用いた「次世代航空交通システムに関する試験飛行」実施のため。シアトルから成田空港へのフライトでも、同システムに関する試験が実施されたほか、成田空港到着後には報道陣にその機内が公開されています。

 シンガポール到着後の「エコデモンストレーター・エクスプローラー」は、その後さらに同システムを共同で実証しているタイ・バンコクへと飛び、アメリカへと戻る予定です。

 なお、この機で試験されている「次世代航空交通システム」が実運用で導入された場合、複数国の空域を飛ぶ航空機の相互間隔が適切に保たれ、地図アプリのように、最適な経路と通過時刻をリアルタイムで調整することが可能となるといいます。その結果、到着時間の予測が容易になることで定時性が向上するほか、CO2排出量の10%削減、混雑の緩和による上空待機の軽減といった効果が期待されているとのことです。