この記事をまとめると

■クルマ趣味に最適な最初の1台をピックアップ

■歴代モデルや社外パーツが豊富だと維持管理もラクでカスタムも楽しめる

■人気車種はイベントが開かれていたりするのでイベントに参加するのもオススメだ

趣味車に最適なクルマをご紹介

 コロナ禍や働き方改革などで、「急に残業が減って早く帰宅できるようになった」、「お休みがたくさん取れるようになった」、という人も多いですよね。それまで、夜遅くに帰宅したら疲れきって何もする気力がなかったのに、いきなり自分の時間がたっぷりできても、「何をすればいいのかわからない……」「今になって、自分には何も趣味がないことに気がついた」、という話を聞くようになりました。

 それならば、昔憧れていたクルマを手に入れて、趣味をクルマにしてみるのはいかがでしょうか。日産のR32GT-Rなど海外からの人気も高い希少車は、価格が高騰しすぎて今から趣味としてスタートするには敷居が上がってしまいましたが、探せばまだまだ手軽にトライできる車種もあるものです。今回はそんな、趣味として楽しめるクルマたちをご紹介したいと思います。

 まずは、「いつかは乗りたい、手に入れたい」と昔から憧れていた人も多いというマツダ・ロードスター。「世界で1番売れたオープンカー」ということでギネス登録までされている、日本が世界に誇るライトウェイト・オープンスポーツカーですが、台数が多いことやもともとの価格がそれほど高額ではなかったことから、今でも比較的スタートしやすい趣味グルマと言えそうです。

 ロードスターは1989年に初代のNAが誕生してから、NB、NCときて現行モデルはND。それぞれに魅力があって、初代はなんといっても軽量かつコンパクトなボディによる、まさに人馬一体の爽快な走り。現代のクルマと比べるとヒップポイントも低く、まるで路面スレスレを走っているような感覚も新鮮です。代が変わるごとにパワーアップしたり安全性能アップのために大きくなったり、上質になっていき、NCはとくにその傾向が強く感じられるモデルです。

 NDになるとデザインの方向性も少し変わり、途中から原点回帰を掲げて車両重量を990kgに抑えた「990S」が登場。好みによってどれを選んでも、相応の面白さが手に入ります。アフターパーツも豊富に出まわっており、自分でメンテナンスして好きな味に仕上げていく楽しみ方もあります。NAやNBはとくに、手のかかるペットのような感覚で付き合えるので、趣味としても濃厚な毎日が送れるはずです。

 2台目は、どちらかというとアウトドアライフが好きな人にもぴったりな、スズキ・ジムニー。こちらも日本が世界に誇る小さな本格オフローダーで、新車は納期がいまだに1年半とも言われていますが、中古車が豊富に出まわっているので手軽にトライできる1台です。もともとは簡素な装備の軽自動車ですので、普通に乗っているだけでも、アクセサリーパーツなどで少しずつ室内を快適にしたり、趣味として楽しむことができますが、その気になれば本格的に岩場などにアタックする仕様、クロスカントリーラリーなどに適した仕様まで、いろんな道に進めます。

 ジムニー専門の雑誌がいくつかあるほどで、それを読んで先輩方の楽しみ方を参考にするといいでしょう。車中泊仕様にして釣りなどに行ってもいいし、星を見に行くのもいいし、もうひとつの趣味のための移動手段としても頼りになるのがジムニーです。

愛車と一緒に大規模イベントに参加してみるのもアリ!

 3台目は、新旧どちらでも趣味仲間がたくさんできそうな、MINI。自分でメンテナンスしたり、コツコツと仕上げていくのが好きな人ならクラシックMINIがオススメです。1959年に誕生してから長い間、世界中で愛されてきたクラシックMINIなので、年代によってさまざまな特徴があり、販売されていた国によっても少しずつ仕様が異なるものもあるので、中古車はそれこそ一期一会といえる1台になるはず。日本ではローバー・ミニとしてインポーターが正式に輸入販売していたモデルがありますので、それを目印に探すと比較的いいモノが見つかるのではないでしょうか。

 初心者ならば、MINI専門ショップなど知識を持ったスタッフがいるお店を見つけて、お世話になりながら自分でもメンテナンスなどを覚えていくのがいいと思います。

 そして、「できればあまり故障などしてほしくないな」、という人なら現行モデルのMINIがオススメ。こちらは自分でコツコツといじる楽しさは薄いかもしれませんが、内外装のアクセサリーパーツは豊富なので自分らしいスタイルにカスタムしたり、オフ会なども各地で頻繁に行われていますので、参加すれば同じ趣味の仲間たちとも楽しい時間が過ごせると思います。

 4台目は、日ごろはファミリーカーとして便利に使いながら、趣味としても楽しみたいという人にオススメなルノー・カングー。フランス生まれの5人乗りミニバンですが、本社の人たちも驚くほど日本のカングー文化は広がりを見せています。

 黄色やオレンジ、ピンクやグリーンといったカラフルなボディカラーがあり、インテリアは国産ミニバンのように至れり尽くせりではないところが逆によくて、クッションやドリンクホルダーなどをカングーっぽく手作りするハンドメイドに沼る人も。とくに、年に1度開催される「カングージャンボリー」には全国からカングーオーナーが集まり、ピクニック気分でくつろいだり、ハンドメイドの作品をフリーマーケットで販売して、オーナー同士のコミュニケーションを深めたり、すごい盛り上がりを見せています。

 広い室内はペットとのドライブにもピッタリなので、愛犬家がクルマを趣味にする際にも良いのではないでしょうか。

 ということで、クルマを趣味にするにはどうしても最初に費用はかかるものの、その分、単なる趣味を超えた楽しさや充実感が得られるものだと思います。気になる車種があれば、ぜひ思いきってトライしてみてくださいね。