写真提供:タキイ種苗

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お弁当やサラダの具でおなじみの「プチトマト」が2007年に販売終了していた、という情報がツイッターで拡散されて衝撃が広がっている。実は品種名だが、そのように認識していなかったという声すら出ている。

一般に、小粒のトマト全般をプチトマトと呼称する人は少なくない。発売元の種苗会社は取材に、「親しまれている言葉をそのまま使われたら良いと思います」と受け止めを伝えた。

「品種名であり、タネの商品名」

ツイッターでは2023年5月下旬、「プチトマト」が品種名かつ販売終了していた旨を伝える投稿があり、大きく拡散される事態となった。「知らなかった!」「そんなに前に終わっていたなんて」などと驚きが広がっている。

J-CASTニュースが取材したところ、「『プチトマト』は、品種名であり、タネの商品名です」と、発売元にあたるタキイ種苗(京都市)の広報が26日に答えた。同社は種の品種開発などを手がける。

約50年前の話で詳細は不明としつつ、ミニトマト「プチ」の種を1975年から2007年まで販売していたと説明する。

一方、販売終了から時が経った現在でも、小粒のトマト全般をプチトマトと呼ぶ人は少なくない。先のツイートには「品種名じゃなくて一般名か俗称だと思ってた......」といった反応も寄せられている。

広報は、そもそもフランス語に「プチ」(小さい)という単語があり、商品名を示すだけではないとし、「親しまれている言葉をそのまま使われたら良いと思います」と受け止めを伝えた。

当初の主な需要は、家庭菜園

プチトマトという名称が浸透した経緯について、広報はこのように推測している。同社のプチが世に出た頃は、トマトといえば「大玉トマト」が主流だった。新たに登場したプチの主な需要は家庭菜園だったため、一般消費者に直接「プチトマト」と認識されたのではないかとする。

当時は種のパッケージにおいて商品名の「プチトマト」に加えて「一口トマト」と併記していたので、「『ミニトマト』という言葉もほとんど使われなかったのではないでしょうか」とみている。

その後、徐々に市場出荷の機運が高まり、1980年代にはミニトマトが量販店など市場で販売されるようになったという。種苗会社が次々とミニトマトの新品種を開発・発売し、プチは役目を終えた。タキイ種苗も数々のミニトマトを発売している。

「ミニトマト『千果』を中心にその味や栽培性を引き継いだ後継品種に耐病性を付与するなど品種改良を進めています」