さらに開発継続へ「超電導リニア」計画3年延長で「高温超電導磁石」など実用めざす
国はいよいよ「次がラスト」と宣言しています。
低コストでのリニア新幹線運行をめざす
リニア新幹線の車両(乗りものニュース編集部撮影)。
国土交通省は2023年3月10日に、超電導リニアの技術開発に関する技術評価委員会を開催。その中で、2022年度までとなっていた基本計画を3年延長し、さらなる開発を行っていくとしています。
超電導リニアの技術開発は、1990(平成2)年の「超電導磁気浮上式鉄道技術開発基本計画」に基づき進められてきました。開発期間は順次され、2022年度までとなっていました。
2017(平成29)年以来6年ぶりに行われた委員会。これまで「営業線に必要な技術開発は完了したので、あとは保守の効率化、超電導磁石の長期耐久性、快適性を詰めていく」としていましたが、さらに新たな課題が今回設定され、開発期間も2025年度まで延長されました。
その課題は引き続き「保守の効率化、超電導磁石の長期耐久性」を突き詰めるものです。具体的には以下のとおり。
●AIなどによる画像やビッグデータ分析といった「ICT技術」を活用し、車両異常の検知を自動化、効率化していく。
●マイナス269度まで冷やす必要のあった超電導磁石について、マイナス255度まで冷やせば使える「高温超電導磁石」を実用化することで、液体ヘリウム装置が不要になり、シンプルでメンテナンスも容易な冷凍機だけで運用できるようにする。
最後に、国は今回の技術開発課題の完了により「技術開発基本計画おける技術開発課題は網羅的に検証が完了する見込みである」と記述しています。リニア中央新幹線の建設も進むなか、1つの時代をかけた大プロジェクトはいよいよ大詰めを迎えています。