人工衛星の開発協力も進めるとか。

静止軌道の状況把握を強化するのが目的

 アメリカの大手航空機メーカー、ノースロップ・グラマンは2023年3月15日、IHIと日本の宇宙領域把握(SDA)などのミッションを担う小型・高機動な人工衛星を開発するにあたり、協力していくための覚書を締結したと発表しました。


航空自衛隊の宇宙作戦群(画像:航空自衛隊)。

 日本政府が2022年12月に定めた新たな「国家安全保障戦略」および「国家防衛戦略」では、持続可能な経済活動と安全保障を実現するためにSDAを強化することがうたわれています。それを鑑み、IHIとノースロップ・グラマンは、近年、ますます非友好的な環境になってきている静止軌道(GEO)における状況把握を強化するために、小型・高機動な人工衛星の共同開発に合意したといいます。

 ノースロップ・グラマンは長年にわたって宇宙環境をモニターしてきたことから、それに関連して宇宙空間にある物体の探知・識別・判定を支援する地上設備や、人工衛星などの提供実績を持っており、低軌道(LEO)および静止軌道における衛星同士のランデブー(接近)や、近接しての運用において世界をリードしてきたと自負しています。

 IHI航空・宇宙・防衛事業領域のナンバー2(副領域長)を兼務するIHIエアロスペースの並木文春副社長は、今回の覚書締結について「IHIグループとノースロップ・グラマンは協働の長い歴史があります。課題解決にあたって、ノースロップ・グラマンは最高のパートナーであり、協力して宇宙の安定的利用に貢献していきます」と述べています。