きっぷの売上以外の「鉄道価値」をあらためて調査分析します。

鉄道の価値を数字化


JR北海道の気動車(画像:写真AC)。

 北海道は2023年3月14日(火)、道内の鉄道ネットワークに関する分析を行っていくとし、業務委託のコンサル募集を開始しました。

 この「道内鉄道ネットワーク評価分析事業委託業務」の内容は、主に次のような分析、まとめを行うものです。

●各線区の現状と、新幹線の札幌開業による需要変化を分析する。
●行政機関や経済団体、交通事業者にヒアリングし、「鉄道が存在すること」による様々な面での影響・効果を把握する。
●鉄道がネットワークとして、全道規模または国家規模で果たす様々な役割や価値について、札幌開業を見据えた上で、可能な限り定量的に評価を行う。

 この「鉄道が存在することによる効果」の例として、説明資料では「国内旅行客やインバウンド増に対する受け皿、食料輸送としての役割、環境負荷軽減への役割、災害時の避難ルートや物資補給路」といった観点からの評価分析を期待しています。

 北海道の鉄道を取り巻く状況は依然厳しく、留萌本線の留萌〜石狩沼田間はことし4月1日に廃止となるほか、北海道新幹線の札幌延伸にともなって函館本線の長万部〜小樽間140.2kmも廃止される方向で地元合意が取られています。

 北海道は「旅客輸送だけでない鉄道の価値」についての模索を進めており、2022年度の「北海道交通・物流連携会議」では、安定的で効率的な物流体制の確保に向けて、飛行機や船舶と合わせて鉄道でも「貨物ダイヤの調整や『貨物新幹線』の導入」など、検討を進めていくとしていました。こういった動きもふまえて、あらためて「北海道の鉄道の総合的な価値」を数字で示していきたい構えです。

 今回の調査は10月中旬までの予定です。