すっきり暮らしのためにも、いろいろなものを手放そうとしている人も多いのではないでしょうか? ところが捨てるのもそう簡単ではなく、迷うことも多いはず。そこで50代ブロガーで、整理収納アドバイザーの原田さよさんに、捨てたくても捨てられないときに覚えておきたいコツを教えてもらいました。

捨てたいのに捨てられない…自然に手放せるようになるコツ6つ

50代になれば今後の暮らしを考え、そろそろ身軽に暮らせる準備をしようと片づけはじめる人が多いのではないでしょうか。前回、「捨てても家がすっきりしない理由」について書きましたが、今日は、捨てたいと思っているのに捨てられないとき、どうすればいいかについてまとめました。

捨てたいのに捨てられないと迷う人に多いのが(私もそうでした)、気が散りやすく考えをまとめるのが苦手というタイプの人です。でも大丈夫、順番に考えていけばできます。

●(1) ものの手放し方をおさらいしておく

ものの手放し方は主に4つあります。捨てたくても捨てられない状態というのは、この手放し方の4つのうちどの方法で捨てるなら納得できるかわからないでいる状態です。これを決めていきましょう。

[手放す手段]

・譲る・あげる(寄付もここに含まれる)

・自分で売る

・誰かに売ってもらう

・そのまま捨てる

●(2) なぜ捨てられないか、ノートに書きだしてみる

「書く」という作業は、モヤモヤの原因を自覚できるもっとも簡単な方法なのでおすすめです。私は目の前にものがたくさんあっても捨てられなかったとき、なぜ自分はいつまでもそうしているのか、思いつくままメモしてみました。書いたことを見返してまとめると、次のようになりました。

・いつか使うかもと保管していたものを、ゴミとして扱うのが嫌だった
・自分は使わないけれど、誰かに使ってもらいたいという思いがあった

いかがでしょう、私と同じ理由で迷っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。ものを減らしてシンプルな暮らしにしておくのが老後のためにもいいとわかっていても、ガラクタではないなら割りきれないこともあります。高価だったからとか、思い出がいっぱいあるとか、まだまだ使えるからとかいう気持ちももちろんありましたが、何より私は、ゴミとして出すのがつらかったと気づきました。

自分が要らないものなら、人はもっと要らないよね…とは思うけれど、「誰かに渡して活かしてもらえたら嬉しい」という思いがあったとはっきりわかったのです。

●(3) 必要とする人を探して譲る

誰かに使ってもらえるとわかっていれば手放せる場合、もっとも簡単なのは、必要としてくれる人にそのまま譲ることです。

私の息子は23歳で亡くなったのですが、その子のために買っておいた服や靴下などを、近所にある施設へ「古いものですが未使用なので、バザーに出してくださいますか」とお願いしたことがあります。するとすぐ、施設のスタッフさんと利用者さんが自宅へ取りにきてくれました。「こんなものお願いしていいかな」とじつは心配していたのですが、快く引き取ってくださいました。

市の広報などでそういう施設を探してみるのもいいし、ジモティーなどを利用して近くに住む人に譲るのもおすすめです。また、メーカーが自主回収している場合もありますので、もし迷っているものが洋服なら、アパレルメーカーのリサイクル事業を介して手放すのもいいでしょう。服として再利用されることはなくても、信頼のおけるメーカーであれば安心してその後をまかせられます。

●(4) 自分で売る

フリマやネットオークションを利用すれば、確実に「欲しいと思っている人」にものを渡すことができます。わずかな金額であっても落札されれば助かるので、一石二鳥にもなります。

私は、オークションではおもに古着を出品していました。これは手間も時間もかかるので慣れるまで少ししんどかったですが、喜ばれたため満足度は高かったです。ただし、ここ数年はもう出品は面倒になってやめました。やはり、気力があるうちにやっておくのがよさそうです。洋服の整理をして久しぶりにオークションで出品したとき、せっせと出していた40代の頃と比べ手際が悪くなっていて疲れました。

地元で開催されるフリーマーケットに、お友達といっしょに出店したこともあります。助け合ってできるし、その場で受け渡しが完了するので、早いし楽しいです。顔を見てする値段交渉も楽しかったので、ひとりなら無理でもお友達といっしょならできそう! という方はトライしてみてください。

●(5) 人にまかせて売る

譲ったり売ったりというのはハードルが高いという場合は、人にまかせて売ってもらうのがおすすめです。私はリサイクルショップや宅配買取りをしているお店をネットで探し、古着や古本を買取りしてもらいました。着物は重たいので出張買取りを利用しました。宅配買取りや出張買取りは、口コミをたくさん読めるので、心の準備もしやすいです。

●(6) 大物は、捨てるタイミングを決める

大きなものも、捨てたいのになかなか捨てられないものです。これらは、時期を逃すとますます捨てにくくなっていくものでもあります。

そういうものは、いつ手放すか期限を決めておくのがおすすめ。いつまでも置いていてスペースがふさがったまま、というのが避けられるだけでなく、その時までに中身を整理しておこうとするものだからです。私は次のようなタイミングが来たら捨てどきと割りきり、処分してきました。

・子どもが大学に入学し、一人暮らしをはじめるタイミング

・子どもが結婚し、家を出ていくタイミング

・親を呼び寄せる(同居する)ため、リフォームをするタイミング

わが家の場合は、ベッドやカラーボックス、重たいリビングテーブル、大きすぎるテレビボードや食器棚、片づけているうちに中が空っぽになった収納ラックなどをそのタイミングで手放しました。

●おわりに

当時の私は、捨てたいのに捨てられないでいるという自分の状態こそ、なんとかしたいと思っていました。いつまでも迷っているのがつらかったのです。私と同じような思いを抱えている人にこそ、ちょっと面倒に思われるかもしれませんが、どのような手放し方なら自分は納得できるかを順番に考えてみてほしいです。迷う時間を減らして、気持ちよく片づけていただけると嬉しいです。