新型コロナウイルスにより経営が悪化した中小企業を支援するため、実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」。今後、返済が本格化する企業が増えることから、負担を減らし支援を継続するための新たな借り換え保証制度がスタートしました。

　コロナ禍の中小企業の資金繰りを支援する実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」は２０２０年３月から始まり、融資した総額は終了した去年９月末の時点で全国で４３兆円に上っています。栃木県内での融資は１万９千件余り、３０８０億円になります。

　返済の開始時期が今年７月から来年４月に集中する見込みですが、経営状況が改善せず返済が大きな負担になる企業も多いことが指摘されています。そこで国は支援を継続させるため、企業の新たな借り換えを保証する制度を１０日から始めました。これを受けて県は中小企業向けの制度融資の要件を緩和しました。条件としては売り上げが前年より５％以上減少しているほか、経営の改善に向けた計画書の作成などが必要です。中小企業に対して、１億円を上限に１０年以内の期間で融資の保証を行うほか、新たな事業への資金需要にも対応します。

　帝国データバンク宇都宮支店によりますと、県内では去年１年間に１千万円以上の負債を抱え倒産した企業は１１３件で、負債総額は１５６億円に上っています。関係者は返済の本格化で経営状況が悪化しないよう制度の活用を呼びかけています。