今年一年の建築作業の安全などを祈る新春恒例の「太子祭」が１０日、大田原市の神社で行われました。

木やり唄に合わせて、烏帽子（えぼし）と狩衣（かりぎぬ）姿の大工の棟梁（とうりょう）たちが長さ４メートルの丸太を境内に運び込みます。太子祭は建築の神様として聖徳太子をまつっている大田原神社で行われる新春恒例の儀式です。建築業者の仕事始めとして毎年１月１０日に行われています。

棟梁たちは、のこぎりや手おのなど昔ながらの大工道具を使って大田原産のスギの丸太を角材に加工する釿始之儀（ちょうなはじめのぎ）を行いました。寸法を測った丸太に墨で印をつけたり手おので丸太を削ったりと、現代ではなかなか見られない伝統的な技法を披露し、今年一年の建築の安全や商売繁盛を祈願しました。

太子祭を主催している大田原市太子講と大田原商工会議所では、太子祭はコロナ禍でも３年間中止せずに行っていて「こんな時だからこそ続けていきたい」としています。