「安倍晋三国際空港」の現実味は…?(2020年8月撮影)

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タレントの神田うのさん(47)がインスタグラムにつづった「ぼやき」が、波紋を広げている。年末年始をハワイで過ごした神田さんは、現地の空港が「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称されたことを引き合いに、羽田空港や成田空港を「安倍晋三国際空港にして欲しいな」と持論を展開した。

米国ではハワイ・ホノルル以外にも、政治家の名前を冠した空港が多数あり、神田さんは「凄く素敵な事だと思います」とも書き込んだ。現役閣僚の名前がつくケースがある一方で、退任や死去からある程度時間が経ってから名前が変更されることが多く、その背景はさまざまだ。

「日本の玄関国際空港にSinzo Abe International Airport とつければいいのに?」

神田さんの書き込みは2023年1月7日、ダニエル・K・イノウエ国際空港で撮影されたとみられる電光掲示板の写真つきで投稿された。電光掲示板には、空港名の由来になったダニエル・イノウエ元上院議員が映っている。神田さんは、ホノルル以外にも政治家の名前を冠した空港があることに言及しながら、

「日本でも羽田国際空港や成田国際空港という名前から安倍晋三国際空港にして欲しいな?あれだけ海外でお名前が知られていらっしゃる日本の政治家さんもいらっしゃらないですし、日本の玄関国際空港にSinzo Abe International Airport とつければいいのに?と思ったりしています」

などと持論を展開した。投稿につけられたハッシュタグでは「うのの独り言」「うののぼやき」とも説明した。神田さんは、安倍晋三元首相の妻、昭恵さんと親交が深いことで知られる。

この投稿には多くの賛否両論が寄せられ、一時は「安倍晋三国際空港」がツイッターで「トレンド」入りするほどだった。

ハワイ・ホノルルの名称変更は死去から5年後

イノウエ氏はホノルル生まれの日系2世。第2次世界大戦の欧州戦線で日系人部隊の一員として参戦し、右腕を失った。戦後の1959年には日系人として初めて連邦下院議員に当選。63年に連邦上院議員にくら替えし、2012年に88歳で死去するまで務めた。死去から5年が経った17年に、ホノルルの空港整備に貢献した功績をたたえて「ホノルル国際空港」から「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称された。

シリコンバレーの中心地として知られるサンノゼの空港は01年から「ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港」と呼ばれている。ノーマン・ミネタ氏はサンノゼ出身の日系2世で、米本土では初めて下院議員に当選。日系人、アジア系米国人として初めて閣僚を務めたことで知られる。00年から01年にかけて商務長官、01年〜06年にかけて運輸長官を歴任。現役閣僚の名前がついたケースだ。

日本で唯一人名がついている空港は...?

大統領を務めた人物の名前がつく空港も多い。ワシントン中心部に近い「ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港」が現在の名称になったのは1998年。ロナルド・レーガン氏が89年に大統領を退任した9年後だ。

ヒューストンの空港は、1997年から「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港」と呼ばれている。ジョージ・H・W・ブッシュ氏の大統領退任は93年だった。

異色なのが、かつては「アイドルワイルド空港」として知られていた、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港だ。ジョン・F・ケネディ氏が1963年11月22日に暗殺され、ニューヨーク市議会が空港の名称を変更したのは、わずか1か月後の12月24日だった。

日本で唯一、空港名に人名がついているのが高知龍馬空港。この愛称がついたのは2003年のことで、坂本龍馬が暗殺された1867年から136年後だった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)