２０２２年栃木この１年 「事件・事故」
今年、県内で起きた出来事を振り返る特集、３日目の２１日は「社会」です。日本中に大きな衝撃を与えた事件や事故も起きました。
危機管理を考えさせる事故。
１月５日、那須町の那須サファリパークで飼育員の男女３人がトラに襲われ大けがをしました。当時、開園の準備をしていた女性飼育員が本来トラがいないはずの移動用の通路付近でトラと鉢合わせをして襲われ駆けつけた２人の飼育員も相次いで襲われました。施設のマニュアルでは夜間にトラを獣舎に戻すことになっていましたが、前の日の夜に襲われた３人とは別の飼育員がトラが獣舎に入ったことを確認していなかったとみられます。女性の遺体発見。
「知人の女性の遺体を埋めた」３年前に起こった事件は自首により発覚しました。１月、宮城県白石市の山林で 女性の遺体が見つかりました。遺体は２０１９年の秋ごろに家を出て行方が分からなくなっていた高根沢町の田中早苗さん当時２４歳と判明しました。事件に関与したとされる海部学容疑者(３５)、妻の春香容疑者(２６)、その妹で自首をした高木沙耶花容疑者(２３)が傷害致死や死体遺棄、監禁の疑いで逮捕・起訴されています。警察によりますと、３人は２０１９年の秋頃から、さくら市内のアパートで田中さんを監禁して暴行を加え死亡させた疑いが持たれています。今後の裁判で動機の解明が待たれます。電車で高校生殴る。
１月、飲食店の従業員の男がＪＲ宇都宮線の電車内で喫煙し、注意してきた男子高校生に殴る蹴るの暴行を加え大けがをさせました。男は傷害などの罪に問われ懲役２年の実刑判決が言い渡されました。判決で裁判長は「攻撃する意思のない被害者に対し一方的に暴行を加え被害者は多大な精神的、肉体的被害を被った」と述べました。身元不明遺体。
１月、日光市長畑のゴルフ場跡地でスーツケースの中から切断された遺体が見つかりました。スーツケースには人の胴体部分が、近くにあったスポーツバックからも遺体の一部が見つかっています。警察は死体遺棄事件として捜査を進めています。県議が飲酒事故。
県議会議員が飲酒事故。１月、この県議は酒を飲んだ後に車を運転して物損事故を起こしましたが事故を申告せずに車を放置して現場を離れた疑いがもたれていました。この事故を受けて県議は議員を辞職し警察は道路交通法違反の疑いで書類送検しました。クリーンパーク茂原。
２月、宇都宮市のクリーンパーク茂原で火災が発生。施設に被害が出たため、ゴミの受け入れができなくなり市のゴミ焼却能力のおよそ７割を失いました。市と有識者で構成される事故対策委員会は「出火原因は特定できないがスプレー缶やリチウム電池などから可燃物や可燃性のガスに引火して出火したと推察される」としています。娘が母を殺害。
３月、上三川町の県営住宅の一室で頭を切られるなどした女性の遺体が見つかった事件で、この女性の娘が殺人や死体遺棄などの疑いで逮捕されました。今後、裁判で動機の解明が待たれます。安倍総理銃撃事件。
７月に安倍晋三元総理大臣が銃撃され死亡した事件はさまざまな方面に波紋を広げました。容疑者は、母親が入信した新興宗教への恨みを供述し、宗教２世が大きな社会問題になりました。豚熱。
７月、那須烏山市の養豚場で 豚熱が発生しました。県の職員などがおよそ２カ月にわたり豚の殺処分を行いました。その数はおよそ５万４千頭にも上りました。雪崩事故。
那須町で２０１７年３月、登山講習中だった大田原高校の生徒と教諭合わせて８人が雪崩に巻き込まれて死亡する事故の刑事裁判の初公判が１０月に開かれました。事故から５年。業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった３人の教諭が法廷という公の場に姿を現し「雪崩は予見できなかった」と無罪を主張しました。来年も引き続き公判が予定されています。ＬＲＴ。
来年８月に開業予定の宇都宮市と芳賀町が進める次世代型路面電車ＬＲＴ。１１月、試運転が始まってからわずか２日目にまさかの脱線事故。市民や鉄道ファンの期待が膨らむなかで事故が起きました。事故が発生したときは下り線から上り線に逆走する形で入線試験を行っていて現場のカーブは全線の中で最も急なカーブでした。また緊急時の走行パターンで通常はほとんど使用しないものでした。開業までに原因を究明し事故のない安全な運行が求められます。条例＆法律改正。
交通事故防止や被害者の保護などを目的に県の自転車条例が施行されました。４月にヘルメット着用と自転車の点検整備が努力義務として定められ７月には自転車保険の加入が義務化されました。なお、ヘルメットの着用義務は来年４月から全国で努力義務になります。１０月、県内の高速道路で初めて最高速度が時速１００キロから１２０キロに引き上げられました。制限が引き上げられたのは、東北自動車の佐野藤岡インターチェンジ付近から岩槻インターチェンジ付近の上下線およそ４１キロで、カーブの見通しなどを考慮して設定されました。
特殊詐欺。
巧妙な手口で高齢者の現金やキャッシュカードをだまし取る特殊詐欺事件が後を絶ちません。１１月には、足利市の女性(６６)が今年の県内の特殊詐欺被害で最高額になる現金１７３０万円をだまし取られるなど県内の被害額は今年２億４千万円を超えています。そこで県警は特殊詐欺の被害防止を呼びかけるチーム「サギ・撃隊」を発足させ１０月から活動をスタートさせました。詐欺グループから押収した名簿に載っていた高齢者の家などを訪問して注意を呼びかけています。栃木県警察本部によりますと、特殊詐欺に特化して戸別訪問する組織は全国で初めてだということです。
