今年を振り返る特集、2日目の20日は「選挙」を取り上げます。

7月に行われた参議院議員選挙では改選1人区になってから最多の6人が立候補する激戦となりました。6人の候補者のうち女性が過去最多の5人を占めた7月の参院選。

開票の結果「教育は国の根幹。教育なくして国の発展はない」と訴えた自民党・現職の上野通子さんが3回目の当選を果たしました。上野さんは国会議員、県議会議員、そして市や町の議員が中心となって組んだ日程で県内全域をくまなく回ったほか業界団体や自治会の集会にも顔を出すなど盤石の組織戦で票を固めました。投票日直前に安倍元総理大臣が銃撃され死亡する異例の選挙戦、安倍派に所属する上野さんは安倍元総理の写真に花を手向け再選を報告しました。

一方、野党共闘はせず、独自候補を擁立した立憲民主党。県連では候補者は決まらず党本部の公募で板倉京さんに決まったのはわずか3カ月前。最後まで知名度不足をばん回することはできず得票は12万7千票で41万4千票の上野さんに3倍以上の差をつけられました。

その板倉さんにおよそ2万7千票差に迫ったのが日本維新の会から出馬した大久保裕美さん。出馬表明は3カ月前、県内に国会議員や地方議員がおらず組織もない中で健闘しました。これを足掛かりに党は10月に県連組織を立ち上げ県内での党勢拡大に意気込みます。

栃木選挙区の投票率は前回の44.14%から2.84ポイント増えたものの過去3番目の低さとなる46.98%、全国平均の52.05%も下回りました。県選挙管理委員会が公表した年齢階層別では20代前半が最も低い26.73%次いで10代の30.76%、20代後半が35.47%、全体平均の46.98%を大きく下回り依然として若者の投票率の低さが浮き彫りになりました。

県内の自治体選挙に目を向けてみます。春には地方選挙が続き3月から4月にかけて10の市と町で行われた「ミニ統一地方選」、保守分裂の選挙が続きました。

 

このうち大田原市長選では4期目を目指した現職に対し新人3人が立候補。前の県議会議員の相馬憲一さんが現職を破って初当選しました。4選を目指した現職との差はわずか189票、しかし相馬さんを含めた新人3人の得票は現職の2倍を超えました。

その3週間後に行われた益子町長選挙でも現職に新人が挑むと一騎打ちの戦いを新人が制しました。5期目を目指した現職に対し新人で元町議会議長の広田さんは10歳以上、年上でしたが「町民の声が届いていない」と現職の批判を繰り広げ1,200票以上の差をつけて初当選を果たしました。

そして7月に行われた下野市長選挙。4期16年務めた現職市長が勇退しその後継として立候補した前の市議会議員の坂村哲也さんが初当選。しかし、告示日に急きょ立候補を表明した新人候補が得票率およそ33.0%を獲得しています。

栃木市長選挙では現職の大川秀子さんが激戦を制して再選を果たしました。