3年目のコロナ禍にロシアのウクライナ侵攻、栃木県では、42年ぶりに国民体育大会が開かれるなど今年1年間、さまざまなニュースがありました。19日から栃木県内で起きた出来事を映像で振り返る「2022栃木この1年」をシリーズでお伝えします。1回目は新型コロナウイルスです。

年の瀬が迫った県内一の繁華街、宇都宮市中心部のオリオン通り。夕暮れ前、これから仕事帰りの人たちの姿が多くなってくるころ。新鮮なもつ焼きが人気のこちらの店ではあわただしく開店の準備に追われていました。休業や時短営業の要請がなくなったとはいえ、飲食業界は今年もコロナに翻弄され、コロナ前と比べると多くの店舗で厳しい状況が続いています。午後5時半のオープン。待ちわびた客が次々と訪れますが今も売り上げは例年の7割ほどにとどまっています。

「今年の漢字」はたたかうの「戦」。続くコロナ禍と戦った1年となりました。美しい初日の出とともに始まった2022年。1月1日の新規感染者は17人。1月5日、この後、爆発的な感染拡大をもたらすことになる変異株のオミクロン株が県内で初めて確認されました。これに備えて、県内でもさまざまな対策が取られました。それでも感染拡大は止まらず。まん延防止要請1月末には、県内の感染者の累計が2万人に到達。

県は飲食店などに営業時間の短縮と酒類の提供自粛を要請しました。こうした中2月、総額1兆86億円に上る県の当初予算案が発表されました。この時の新型コロナ対応分はおよそ1900億円。その後、8回に渡って合わせて460億円もの補正予算が追加されました。

高齢者施設でも集団感染・クラスターが相次いで発生し、対応に追われました。1月末に適用になったまん延防止等重点措置は、結局解除されたのが3月末。2か月もの間制限を余儀なくされようやく春を迎えました。その後、経済活動は本格的に再開し復活の兆しを見せました。

そして、コロナ禍になって3年ぶりに行動制限がない春の大型連休。県内各地でさまざまなイベントが行われ久しぶりのにぎわいを見せました。夏に入ると再び感染者数が急増します。1日当たりの新規感染者数が連日、過去最多を更新し、県内の感染者数の累計が10万人を突破。8月に入るとその勢いはさらに増し8月4日には1日当たりで過去最多となる3,371人を記録。

発熱外来がある医療施設には連日患者が詰めかけ医療提供体制が危機的状況に陥りました。県内最大の夏祭り、宇都宮市の宮まつりは、3年連続の中止に。開催を予定していた3日前のことでした。その後、ドライブスルーでPCR検査を受けられるようにするなど体制を強化。県は、社会経済活動の維持と医療ひっ迫回避を両立させるため感染防止を強く呼びかけました。

この一方で、新型コロナ感染者の全数把握の簡略化が行われるようになりました。10月には、国の観光需要の喚起策、全国旅行支援が始まり、海外からの入国規制の上限が撤廃されました。11月に入ると、新規感染者数が再び増え始め現在は感染拡大の第8波。1日あたりの新規感染者数が過去最多に迫る3千人を超える日もあり今月13日には病床使用率が68.9%と最大値を更新しました。

県内の感染者のうち、95%以上はこの1年での感染です。年末年始を迎えるにあたり改めて一人一人の対策が必要です。