11月19日に次世代型路面電車・LRTが試運転中に脱線した事故で、宇都宮市は16日、事故の原因究明のための有識者会議を初めて行いました。会議で有識者は、別の区間で行った走行調査のデータを基にLRTの動作には問題がなかったという認識を示しました。

有識者会議は宇都宮市役所の会議室でオンライン形式で行われました。冒頭、東智徳副市長は「市民の不安を解消しライトレールを安全に安心して利用いただけるように全力で取り組みたい」と話しました。

宇都宮市は先月22日の有識者による現場検証のあと、追加でLRTの走行調査を別の区間で行っていました。そのデータがそろったことから今回、初めての有識者会議を行ったということです。会議には現場検証を行った東京大学の須田義大教授に加え、鉄道総合技術研究所車両運動研究室の中橋順一上席研究員、軌道管理研究室の坪川洋友研究室長の3人が出席し、調査データの分析評価や追加調査の検討などについて宇都宮市と芳賀町の担当者などと議論を交わしました。

会議の中で、走行調査の結果については車両の動作に問題は見られなかったと有識者からの確認が得られたほか、今後の取り組みについて車輪の縦と横の振動に関するPQ測定試験と呼ばれる試験を来週から行うことを確認しました。また来年2月をめどに検討結果の取りまとめを進めるとしています。