東名「大和トンネル上りの渋滞はほぼ解消」ホント? 相変わらずの渋滞 今の原因は
東名高速の大和トンネルを含む横浜町田IC〜海老名JCT間で、渋滞解消に向け車線を増やす取り組みが続いています。そうしたなか「大和トンネル上り線を先頭とする渋滞はほぼ解消された」との発表も。本当なのでしょうか。
改良進む東名・大和トンネル前後
東名高速の横浜町田IC下り線にて、2022年11月19日から本線合流部の加速車線の延長部が供用されました。合流部で発生していた渋滞の緩和が期待されています。
東名上り線、大和トンネルを先頭とする渋滞は、付加車線ができたことで解消されたという(画像:NEXCO中日本)。
ここに限らず、1日約14万台という全国の高速道路でも屈指の交通量がある横浜町田IC〜海老名JCT間では、車線を増やす工事などの渋滞対策が続けられています。そうしたなか、NEXCO中日本東京支社が次のような発表を行いました。
「大和トンネルを先頭とする上り線の渋滞は、ほぼ解消しました」
大和トンネルといえば、横浜町田IC〜海老名JCT間にある悪名高い渋滞ポイントです。上り線は、ここを先頭として、休日の午後を中心に数十キロの渋滞が発生することで知られていました。
2021年7月には、大和トンネルとその前後で上下線に付加車線が新設され、片側4車線となりました。それ以降、ラジオの渋滞情報などでは、トンネル付近に綾瀬スマートICが開通したこともあり「綾瀬スマートICを先頭に」との表現が用いられ、大和トンネルの名を聞く機会が確かに減っていました。
今回、その付加車線の整備効果が、初めて正式に公表された形です。しかしながら、休日の東名上り線は相変わらず渋滞が発生しています。いまの上り線の渋滞原因は何なのでしょうか。
改良進む東名・大和トンネル前後
上り線の大和トンネルを先頭とした渋滞は、トンネル内で上り勾配となるため速度低下が発生することが原因でした。そこで、付加車線を整備してこの箇所の交通容量を増やし、通過しやすくすることに対策の主眼が置かれていました。
それでも発生している渋滞、原因の変化をNEXCO中日本東京支社は次のように話します。
「上り線は、綾瀬スマートICを過ぎ、付加車線がいったん終了する箇所で、車線移動による混雑が発生し、渋滞の原因になっています」
つまり、渋滞ポイントが大和トンネルから、その手前の綾瀬スマートIC付近に移ったというわけです。
上り線は、海老名JCTの合流部から綾瀬スマートICの先まで、付加車線が断続的に続きます。そこからいったん3車線になり、約1km先の大和トンネル手前で再び左に付加車線が現れ、トンネルを出たところまで続きます。ここが2021年7月に開通した部分の付加車線です。
この大和トンネル手前から始まる付加車線、開通当初は通行するクルマが少なかったのが印象に残りました。利用者にとっては「行っていいの、ココ?」という認識だったと考えられますが、それから1年以上が経ち、「以前よりも認知されてきています」(NEXCO中日本東京支社)とのこと。
大和トンネル上り線の付加車線を走行(ドラレコ画像)。
また、上り線の渋滞そのものも以前より緩和されているといいます。渋滞ポイントが大和トンネルより手前に移ったことで、トンネルによる速度低下の影響を受けにくくなったためだそう。
現在は、大和トンネルの先で途切れる付加車線をさらに1.5km延長する工事が進められていますが、前出した渋滞の原因とされる、綾瀬スマートICから大和トンネル手前までの約1kmの付加車線整備については事業化されていません。まずは現在工事している延長部分を進め、交通状況を見つつ検討していくということです。