約2割の省エネ達成 日比谷線の新開発「同期リラクタンスモーター」試験運行で成果
まさに次世代の鉄道モーター!
世界初の成果
新型13000系電車(画像:東京メトロ)。
三菱電機と東京メトロは2022年11月10日(木)、鉄道車両への搭載は初となる「同期リラクタンスモーター」(SynRM)について、東京メトロ日比谷線13000系電車に搭載して行った性能実験で、一定の省エネ効果を確認できたことを発表しました。
SynRMは永久磁石を必要としないなど、効率性やコスト面でメリットがありますが、トルクの変動が大きく、高い制御技術を必要とするため、広く実用化には至っていませんでした。
三菱電機は高トルク・中高速域で高効率であるという特性を活かせる鉄道車両への導入のため、世界最大級の定格250kW級のSynRMと、そこから安定的なトルクを得るためのインバーター制御技術を世界に先駆けて開発し、2021年12月〜2022年2月に日比谷線の営業車両で走行試験を行っていました。
搭載したのは13000系電車のうち、1編成の7両編成中2両です。評価試験の結果、既存のモーターに比べ、消費電力が約18%低下。省エネに一定の効果が見込まれたとしています。営業運転においてこういった成果が確認できたは、世界初とのこと。今後、量産化に向け、さらに評価試験を進めていくとしています。
従来のものとは異なるモーターとインバーターを搭載した試験車。発する音も特徴的で、加速の瞬間に音程が「ヒュゥゥゥ……」と急落し、その後徐々に上がっていくもの。実際に耳にした人は「全体的にSFチックな音」「独特で面白い」と感想を口にしています。