和室をつくるか、つくらざるべきか。家づくりの際、家族で意見が分かれるのではないでしょうか。夫婦と2人の男の子という家族構成の日刊住まいライターは、半年前に注文住宅を建てました。夫婦で議論を重ねた結果、和室をつくることになったのですが…。想定外の使われ方になってしまった現状を語ります。

筆者にとって、和室はなかなか荷が重い

家づくりにおいて、夫婦で意見が分かれることが多々あります。

【マンガ】悲しき和室の末路

筆者は、どちらかというと合理的で、シンプルに暮らしたいタイプ。一方、夫は、直感的で自分の心地よさを追求するタイプです。

価値観に違いがあっても、建てる家はひとつ。意見をすり合わせなければなりません。

間取りを考えるにあたり、1階のリビング隣に部屋をつくることになりました。和室にするか? 洋室にするか? ここでも意見が分かれました。

筆者は「和室はいらない」派。和室の落ち着いた雰囲気は大好き。でも、いらない派であるのは、下記のような理由があるからです。

・まだ幼い子ども(7歳&3歳)がいるので、きれいに維持できる自信がない
・畳は定期的に取り換える必要があり、費用の面も気になる
・将来的に自宅介護にならないとも限らない

とくに自宅介護に関しては、介護用ベッドを置いたり、車イスを使ったりすると畳がひどく傷みます。排泄物などの汚れがついた場合、掃除の手間が大変。汚れが残れば衛生面も不安です。

この家は末永く暮らそうと思って建てた家。今筆者は、介護からは遠い世代です。長く住むことになるからこそ、できるかぎり管理のしやすい家にしたい。家づくりの際、筆者はこの理想にこだわりたかったのです。

畳隠して、オモチャ隠さず…理想とはほど遠い和室に

和室のデメリットも含め、夫婦で話し合いを重ねました。「それでも畳がいい」と夫。私が折れて、畳の和室は採用されました。

そして、実際に暮らしてみると…。リビング隣の部屋という関係上、自然に和室は子どもたちのプレイルームとなることに。

 

室内は、子どものオモチャが散乱。子どもが飛んだり跳ねたりするので、全面的に畳の上にはジョイントマットを敷き詰めるハメに。もはや、畳の姿は見当たりません。

結局、ジョイントマットを敷くなら、フローリングでもよかったのでは。なんだかモヤモヤ…。少なくとも、あと5年は畳が見えないまま過ごすでしょう。畳が青々と美しく、香りもいいときに、それを楽しめない状況です。

暮らしてから、将来、畳の部屋にすることもできたのに

やはり、最初からフローリングにして、畳が欲しくなったときに、置き畳を敷くという選択が正しかったかもしれません。畳からフローリングにリフォームするより、はるかに安くすみますし、畳が汚れたら、そこだけ交換すればいいのです。

小上がり風にできる商品も売っています。工夫次第で、自分好みの和室にできそう。

和室に相当なこだわりがなく、どちらか迷っているのであれば、ひとまず洋室に。これが正しい選択な気がしています。

またこれは、家が完成してから気づいたのですが…。いっそうのこと、主寝室を畳にしておけばよかったなと。

リラックスするための寝室。和室とは、相性がとてもいいのではないでしょうか。せっかくの注文住宅なので、もっと思考を柔軟にすべきでした。

寝室が和室だったら…。夫は好きなだけ畳を堪能できるし、私の不満や心配はなかったことでしょう。今よりいい家になっていたのでは。ちょっぴり残念です。