西側リビングの間取り、大きな窓+シャッターブラインドの採用で夏冬快適に
西窓はないほうがよい。よく耳にする話ですが、敷地条件によっては必要な場合も。日刊住まいライターは、建て替えの際に、西側に大きな窓のあるリビングをつくることにしました。南リビングのプランだったもとの家は、隣家の建物に日差しがさえぎられ、暗くて寒い住まいだったからです。建て替えの際には、電動シャッターブラインドを採用して西日対策も。実際に住んだ感想を語ります。
西側に大きな窓をつけたいと思った理由
もともと、築30年ほどの夫の実家に住んでいた筆者。1年半前、同じ場所にハウスメーカーで家を建て替えました。
立地は北西角地。南側には大きな二世帯住宅があります。そのため、以前の住まいでは日当たりに難が。「暗くて寒い」と夫の両親が引っ越してあいた家を、筆者の家族が住まわせてもらっている状態でした。
もともと、大きな窓があり、明るくて開放感のあるリビングダイニングのある家を希望していた筆者夫婦。このような経緯もあって、家を建て替えるにあたって、とくに気にしたのは、やはり日当たりの面でした。
明るくて暖かい家にするため、検討はずいぶんと重ねたつもりです。担当の設計士には、いろいろな時間帯に、何度も現場を見ていただきました。
その結果、決まったプランは西側にリビングをつくり、西側に大きな窓を設けるというものでした。というのも、わが家の敷地の西側は、通りに面していて、開かれています。加えて、将来、大きな建物が建って日がさえぎられてしまう可能が少ない、ということも決め手でした。
西日の対策は、電動シャッターブラインドの採用で
採光を確保するために、西側に大きな窓をつけることになったものの、課題もありました。それは、西日対策です。
解決法として、ハウスメーカーの担当者から、「窓につける電動シャッターを、ブラインド機能つきのものにしてはどうか」と提案されました。
通常のシャッターは開閉の機能だけ。一方、ブラインドシャッターは羽の傾きが変えられるため、西日を適度にさえぎることができます。まぶしいか、真っ暗かという、二者択一ではなく、その中間的な使い方がOK。
シャッターの上げ下ろしや、羽根の角度の調整は、とても簡単。壁づけのリモコンボタンで、好みの状態にできます。
このように、便利な電動ブラインドシャッターですが、デメリットは価格が高いこと。筆者宅では、横幅が通常の1.5倍の大きさの掃き出し窓と腰高窓の2か所に、設置が必要でした。そのため、通常の費用に加えて、それぞれ10万円ほどの追加が発生することに。
導入にあたって、費用面で迷ったのも事実です。しかし、「通りに面した窓の目隠しとしても機能します」という営業担当者の説明があと押しに。外構費がいくらか浮くこともあって、導入を決定。
電動ブラインドシャッターの西日への効果は?
リビング西側に窓を設けることで、もっとも悩みになりそうと思っていた夏の西日。実際に住んでみると、予想どおり強い西日が室内に差し込みます。
午前中に比べ、午後2時を過ぎたころから室温が急上昇するのを肌で実感。エアコンの効きが悪くなったのかと思ったほどです。
では、ブラインドシャッターを使用してみるとどうでしょう?
朝、外出の際に完全にブラインドの状態にしておきます。すると、17時くらいに帰宅したところ、室温の上昇が明らかに抑えられるのを感じました。
暑い休日の在宅時、昼過ぎからブラインドを調整して、西日を制限してみます。結果はというと…。かなり室温が上がる時間帯でも、ブラインドを使う前に比べて室温は2℃ほど下がっていました。
夏の室温の上昇は抑えながらも、ある程度の明るさを確保しつつ(室内の照明はつけない程度)、心地よい状態で過ごせることがわかったのです。
大きな窓のおかげで、「暗くて寒い」にもう悩まない
南側からの採光に難があり、「西側リビング+西側に大きな窓」というプランを採用したわが家。実際に1年半暮らしてみて、このプランに筆者はとても満足しています。
家族が長く時間を過ごすリビングが、南側にあった以前の住まい。天気にかかわらず、朝も夕も照明が必須でした。今のリビングでは、晴れの日や曇りの日中は、ほぼ照明が不要です。つけるのは、雨が降っているような暗い日だけ。
その変わりようは、以前、同じ場所に住んでいた夫の両親が遊びに来ると、「この土地でこれほど明るく暮らせるなんて」と驚くほどです。
先ほどは、夏の話でしたが、筆者は冬にも「西側リビング+西側に大きな窓」というプランのメリットを感じています。太陽が沈むギリギリまで、光を取り込むことができるので、明るさと暖かさを得られるからです。
一般的には避けられがちな西側の窓。敷地の条件によっては、検討が必要な場合もあるでしょう。筆者のケースでも、設計の担当者などに助言をもらいながら、採用にいたりました。「これはダメ」と決めつけず、担当者の話し合いながら、柔軟に家づくりができてよかったです。