カルト宗教の問題が話題になっています。しかし、普通の主婦から高額な金銭を巻き上げる危険な団体はほかにもたくさん。今回は、怪しい人物から勧誘を受けたというESSE読者を取材。詳しく伺いました。

人気イベントに当選!偶然隣り合わせた人に無料のバス旅行に誘われ…

渋谷区の主婦・みずほさん(仮名・40歳)のお話です。

都内の某ホテルで開催された人気の主婦向けイベントの抽選に当選し、参加したときのことです。みんなおひとり様での参加ということもあり、初対面ながら同じテーブルになったメンバーと「お互い、運がよかったですね」「ツイてました!」などと当たり障りのない雑談をしていました。

とくに隣同士の席になったAさんは、ここ最近、運気が急上昇しているとかで「このイベント以外にも、○〇にも、△△にも、◇◇にも当たったんです!」と、本当にすごい強運の持ち主なんだなぁと驚かされました。

●参加費無料。趣味の温泉をきっかけにバスツアーに誘われ…

イベントが始まり、テーブルのメンバーと簡単な自己紹介をしたときに、私は趣味が温泉旅行であることを話しました。

すると隣のAさんから、イベントの最中に「長野の戸隠の温泉ってご存じですか?」と聞かれ「お蕎麦を食べに近くまで行ったことはあるけれど、温泉があるのは知らなかった」と答えました。

Aさんから「じつはね、私、戸隠の温泉に入ってから、ずーっと強い幸運が続いているんです。来月もバスツアーで行くんですけれど、よかったら一緒に行きませんか? 政府主催のボランティア活動も兼ねていて、参加費が無料なんです。まだ私がご招待できる枠があるので」と誘われたのです。

聞けば戸隠近くの宮内庁管轄の特別な建物を掃除するボランティア活動で、政府が主催しているから無料なのだそう。インスタを見せてもらうと、バスツアーを満喫されている華やかな女性たちの集合写真がいっぱいでした。へぇ! 楽しそう! と思って家に帰り、夫にボランティア活動を兼ねたバスツアーに誘われ、無料らしいし行こうと思うと話しました。

●話が違う!?ネットで検索すると怪しいキーワードがズラリ

隣にいた女性と気が合って…と夫に、ことのいきさつを話すと「行くのは構わないが、どうして無料なの? 政府が主催ってなんていうイベント?」と聞かれ、そういえばよくわからないだらけだったことに気がつきました。

教えてもらったAさんのインスタのアカウントを夫にも見せると「このハッシュタグの団体が主催なんじゃない? 政府じゃないよ、なんか宗教みたいなことまでしている。ネズミ講じゃない? ほら見て!」と、手にしているスマホには怪しいキーワードであふれた検索結果がずらり。

改めてインスタを確認すると、その団体のトップと思われる派手なおばちゃんが常に真ん中にいて、どの集合写真もその人をみんなが囲む構図になっています。

たしかにこれは政府主催ではなさそう。せっかく仲よくなって、いい友達ができたと思ったのに、向こうは裏があって私をだまそうとしていたのかもしれないという現実に直面。ショックを通り越して悲しい気持ちになりました。

●再度、豪華なフルーツが並ぶ無料のホームパーティに誘われる

結局、「旅行は夫にダメだと言われて…」とお断りました。ところが後日、今度はホームパーティをするといってまた「前回はこんな感じだったんですよ」とフルーツがたくさん並んだ豪華そうなテーブルの写真が送られてきたのです。そしてまたしても参加費は無料…。

夫にどうしようかと相談すると「そういうパーティや旅行に、君を無料で招待する向こうのメリットってなに? タダほど高いものはないでしょ」と言われました。私も同じ意見でした。

●どうしてウソをついているのか?

これ以上、Aさんとのやりとりが続いてしまうのもいやだと思い、「もしかして宗教かビジネスかなにかのお話されちゃう感じですか? 私、そういうのは夫に禁止されているので、行けません。ごめんなさいね」とハッキリ伝えたところ、「残念ですが、また」というお返事をいただきました。

ちょうどそのとき、テレビの刑事ドラマで「嘘をつくことには理由がある」というようなセリフが流れていて、Aさんが私に言っていた話はどこまでが真実だったんだろうかと思いました。

なんの勧誘をする気だったのか、行ってすらいないので今となってはわかりませんが、インスタの集合写真で中央に移っていたおばちゃんの名前を今になって検索したところ、当時とまた肩書が変わっていました。やっぱり怪しい商売をしているのかなぁと思っています。

 

●私たちが思うよりもずっと世間には「怪しい勧誘」があふれている!

今回は、夫の機転で辛くも怪しい勧誘を退けた体験談でした。普通に暮らしていても、どこに怪しい誘いが手ぐすねを引いているかわかりません。

少しでも怪しいと思ったら、冷静に家族や周囲の人の意見を聞くのも大事だと思わされたケースでした。