季節はどんどん秋に向かっています。季節の変わり目は衣替えがあったり、たまった汚れを落としたり、何かと準備をしておきたいもの。今回より、ESSEonlineで連載をスタートする50代で整理収納アドバイザーの原田さよさんに、次の季節を少しでもラクに過ごすために、片づけておきたいアイテムについて教えてもらいました。

50代で片づけに本気に。手放してラクになったもの

私は59歳、2つ年上の夫と80代後半の義母との3人暮らし。整理収納アドバイザーの資格をもっています。

じつは私は、片づけが嫌いで捨てるのも苦手でした。50代になっても、人が来ると決まったときだけ慌てて家じゅうを片づけていたような主婦でした。

50歳を過ぎてすぐの頃、「このままでは、将来困ったことになるかも」と一念発起し、家じゅうの片づけをはじめました。数年かけてものを減らした結果、使いやすい収納をつくれるようになりました。

私は持病があるため利き手が少し使いにくいですし、高齢の親と同居もしています。そのため、シニアになってからの暮らしも視野にいれながら片づけてきました。決して雑誌にあるような美しい部屋ではありませんが、今はほんとうにラクです。

減らしたのはものだけではありません。今まで当たり前にしてきた家事や習慣も、手放せたことがたくさんありました。そんなことも交えながら、50代のこれからをどうしよう…と迷っておられる方に向けて書いていこうと思っています。何かのヒントにしていただけると嬉しいです。

●季節の変わり目は、片づけの絶好のタイミング

“秋が始まる前に捨てておく”というのは、私が毎年この時季になるとかかげている目標です。若い頃は、少しぐらい忘れていても後から一気に片づけられた用事が、年齢を重ねるとそうはいかない場合も。体がしんどくてつい後回しにしたために、どんどんものをため込んでしまったということがありませんか。

私も、「いつかやる」「あとでやる」というのが溜まってストレスになってしまうことが、更年期を迎えた頃から増えてきました。そこでこの数年は、季節の変わり目に捨てるものをいくつか決めて、片づけるようにしています。毎年見直すようにしているのは、

・今年買った日やけ止めクリーム
・夏にもらった催促品の数々
・気がつけば増える小さな保冷剤
・着古したTシャツ
・保冷機能が落ちた水筒

これらのことを一つずつ紹介していきたいと思います。

秋が来る前に、見直したい5つのもの

秋には不要になるであろう次のものは見直し対象になります。

●今年買った日やけ止めクリーム

残った日やけ止めクリームを次の年に使わないほうがいいというのを、私はつい数年前まで知りませんでした。余ったら置いておき、次の年にふつうに使っていました。

開封した日やけ止めクリームはその年のうちに使うのがいいそう。50代の肌ならなおさら気をつけた方がいいですね。日やけ止め類は、この時期を逃すとついついまた年越しさせてしまうのがいつもの私。まだ暑い今のうちに、使いきるようにしています。

●夏にもらった販促品の数々

夫も義母も、なぜか、うちわが大好き。義母にいたっては、厚紙で手づくりするぐらいうちわ好き。このようにたくさんあるうちわ、夫がこの夏、またもらってきてしまいました。夏休みの販促用に配られていたもののようでした。

「去年もらったうちわもまだあるよ? ほかにもいっぱい。うちわ、そんなにたくさんいらないのでは…」と言いたいのをぐっと我慢。古いうちわだけでも捨ててくれないかと頼んでみました。

すると夫はちゃちゃっと見て、あっさり捨ててくれました。ぜんぶ置いておかなくてもいいと思っていたようです。捨てることさえ面倒だったのでしょう。いただいてありがたいのですが、同じものが何枚もたまるのは困りもの。夫には、「季節の変わり目を利用して声をかけておくのがいい」とあらためて思いました。

●気がつけば増える小さな保冷剤

夏の間に、ついついためてしまった小さな保冷材。実家にはびっくりするぐらいあり、「これ、どうするつもりなの」と思うときがあります。

私もえらそうなことは言えません…。わが家は、小さい保冷材は、夏の終わりに必要なぶんだけ残して処分しています。小さくても量がたくさんあると、冷凍庫のなかでけっこう場所を取ってしまうからです。

若かったころは私も人づきあいがもう少しあったので、人に何かを差し上げる際など、小さい保冷材の使いみちもそれなりにありました。でも今は、あまり使うことがありません。小さい保冷剤は冷凍庫に3つか4つ残してあれば十分。

 

●着古したTシャツを捨てる

着古してよれよれになってきたTシャツも、積極的に床掃除に使うなどして、使いきるようにしています。使いきれず残ったTシャツは、潔く処分。注意したいのは、「ウエス用」などとして置いておくと、さらにたまってしまうことです。

掃除用の布ばかり増やしても、重荷になるだけです。もう昔のように熱心に掃除しなくなりました。○○用として残すものはどれも、限度を決めておくのがおすすめです。

 

●保冷機能が落ちた水筒

これは毎年処分するわけではありませんが、見直しておきたいものとして挙げています。たとえば、壊れていたり、長く使っていない水筒やマグボトルが皆さんのお宅にはありませんか。いよいよ保冷機能が利かなくなってきて、氷がすぐ溶けてしまうような…。

この手のマグボトルは、本体の構造により保冷機能が保たれるようになっているそう。私のマグボトルの保冷機能が落ちたのは、何度か落としたことがあるからだと思いました。もちろん、漏れるわけではないので使えました。でも、保冷できなくなっているマグボトルを、今後も使うでしょうか。

迷いましたが、処分しました。「使える」というだけで置いておいても、結局はその後も放置してしまうと思ったからです。

50代のこれからの暮らしには、本当に使うもの、必要なものだけを手元に置きたいです。

 

新型コロナウイルスのために暮らしが一変して3年。いつもと違う秋がまたやってきます。夏の疲れが体に出はじめている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

心配なことは尽きませんが、いらないものを処分して身の回りをすっきりさせ、季節の移り変わりを楽しみたいですね。