<ANAオープン 2日日◇16日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7063ヤード・パー72>
2018年、19年の賞金王・今平周吾が5連続を含む8バーディ・ボギーなしの「64」をマークして、トータル15アンダー。3位タイから首位と1打差の単独2位に浮上した。17年大会のプレーオフでの敗戦を含む、3度のトップ10入りを経験する相性のいい大会で今季3勝目を狙う。
「今週はボギーを打たないことを目標にやっているので、それがうまくハマっています」と初日も7バーディ・ボギーなし。2日続けてボギーフリーで駆け抜けた。ボギーを打たないためにティショットから頭を使っている。
ドライバーを使えば2打目はウェッジで打てる距離まで運べるパー4でも、ドライバーショットのランディングエリアが狭ければ、フェアウェイキープを優先してユーティリティを使用するホールもある。トラブルを回避するリスクマネジメントで高いパーオン率を生み出す。2打目で180ヤードが残っても、ここ数試合好調のアイアンショットでピンを刺してスコアを伸ばした。
クラブとスイングをチェンジしたことで、アイアンショットの切れ味が増した。5月に2週連続優勝を果たしたときには、ヤマハの最新モデル『RMX VDツアーモデル』アイアンを投入。打感もよく気に入っていたが、8月の「セガサミーカップ」で賞金王時代から使用するヤマハ『RMX116 ツアーブレード』に戻した。その理由は「気分転換的なモノと、洋芝だと刺さるイメージがあったので前のモデルにしました。古いモノは使い込んでいるのでソール部分が丸くて、洋芝でも抜けがいい」。今回の輪厚攻略にはうってつけだった。
また、スイング的には「振り過ぎないように、トップをコンパクトにする意識をしたらよくなりました」。スイングが大きくなりやすいという今平は、賞金王獲得時も“コンパクト”を意識して安定感のあるショットを続けていた。クラブもスイングも、賞金王時代に回帰した形だ。
今大会には「負けたイメージしかない」と話すが、過去6回の出場でトップ10入りは3回。「ANAオープンは上位が多くて相性はいいと思うので、今週がんばりたい」。単独首位に立つのはほかでもない、17年にプレーオフで今平を破った池田勇太。雪辱を果たす絶好の機会が巡ってきた。(文・小高拓)

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