注文住宅を建てる際、シンプルな形の家を建てると、建築費やランニングコストの削減、また、家事の手間まで減らせるケースも。日刊住まいライターも、窓の少ない総2階の家をハウスメーカーで建てたことで、大満足の結果に。メリットを具体的に語ります。

1.家の形が耐震性と価格面のダブルでメリットに!

日本は地震が多いので、耐震性はとくに重要。筆者は、快適な生活には「安心・安全な生活」も含まれていると考えています。家の形決めのときも、耐震性についてはとくに意識しました。

そこで選んだのが、セキスイハイムというハウスメーカーの「スマートパワーステーションFR」という商品です。外観は箱型の直方体で、屋根はフラット。凹凸がまったくない外観です。人によってはスタイリッシュに映りますが、味気ないと感じる人もいるでしょう。

設計時に建築士に聞いた話では、凹凸が少ない分、地震の揺れを四方へ均一に流せるので耐震性がよくなるとのこと。また、材料費が少なくなるので、価格も抑えることができます。

さらに、箱型の直方体だと、足場となるところがないので、2階への侵入防止にも。これは安心です。

 

2.シンプルな箱だからデッドスペースの少ない間取りに!

箱型の形の家には、耐震性などのほかにもメリットがあり、デッドスペースが生まれにくくなります。わが家の各部屋は長方形なので、デッドスペースがまったくありません。

さらにわが家は、間取りでは、家事の効率、とくに洗濯の動線をとことん重視しました。具体的に言うと、洗濯機置き場、洗濯物の干し場、ファミリークローゼットを1階にまとめています。

洗濯物の干し場とファミリークローゼットは、どちらも1畳程度の広さ。しかし、これらの空間をつくったおかげで、洗濯家事が1階で完結します。

 

3.部屋自体にも凹凸がないから掃除がラク!

凹凸のないシンプルな形の家だと、凸凹のないシンプルな形の部屋をつくりやすくなります。こうした部屋は、掃除の面でもメリットが。というのも、ホコリがたまりがちな部屋の隅が少ないからです。掃除の手間が減ると、それだけ生活がラクになります。

筆者は、ホコリの掃除の手間をできるだけ減らしたかったので、壁収納や飾り棚なども極力つくらないようにしました。

あえてつくったのは、脱衣所の洗濯機の上の空間と、玄関のシューズクローゼットの隣の隙間に、備えつけの棚を2つのみ。これは狭い空間を有効利用するためです。

4.造作は最小限に!収納部屋を多くとれて住みやすい

壁収納や飾り棚などの収納スペースはほとんどないですが、収納部屋はできるだけ多くしました。収納場所が多いと、家族が増えたり成長したりして、ものが増えたりしても、柔軟に対応できます。

もしも、収納場所が少ないと、要るものと要らないものの選別に時間を取られてしまいます。

わが家の1階には、ファミリークローゼット、階段下収納、パントリー、床下収納があり、2階にはウォークインクローゼット、主寝室には収納棚が。子ども部屋には、クローゼットを採用しました。すべて扉つきなので、ホコリ対策もできています。

 

5.窓も少なくして、カーテン代も冷暖房費もカット!

わが家は、窓の数をできるだけ少なくしてシンプルに。サイズも小さいもの多く採用しました。

メーカー担当者の話では、窓の数を少なくすることで、外からの空気が室内へ入りにくくなり、室内の温度変化を抑えられるそうです。結果、冷暖房費が減らせます。

加えて、窓分の工事費用を抑えられますし、カーテンの費用も削減可能。わが家はカーテンをすべて新調しましたが、総額で10万円以下に収まりました。

窓のサイズを小さくすることについては、セキュリティ面でのメリットもあります。サイズを小さくするだけで、侵入防止に効果があるはず。防犯ガラス、鉄格子、シャッターなどを採用しなくても、防犯になるので、費用も抑えられたと思っています。

凹凸が少なく、窓も少ない総2階の家は、デザイン的に好みが分かれるでしょう。しかし、機能面でのメリットは多いです。機能的な家づくりを目指している方は、参考にしていただければと思います。