ダンス&ボーカルグループ「TRF」のDJ、リーダーで、最近ではバラエティでも大活躍のDJ KOOさん。8月3日には自身初のビジネス実用書『あと10歳若くなる! DJ KOO流 心・体・脳の整え方』を上梓しました。

DJ KOOさん「不安な気持ちを支えてくれたのは家族の存在」

5年前に、脳動脈瘤という大きな病気を患ったDJ KOOさん。「もう命の保証はないかもしれない…」と、覚悟し臨んだ手術はなんと約6時間半にも及んだそうです。

【写真】当時を振り返るDJ KOOさん

●「自分の存在がなくなるかも…」という恐怖も

著書からは、DJ KOOさんのとても“ていねいな生活”を垣間見ることができますが、じつは大病を患うまでは不健康な生活を送っていたと言います。

「もうイケイケで、『別に不健康だって、そんな健康診断なんかいらないし』って感じでしたね。だから、食生活も寝る前にピザやプリン、スナック菓子を食べて、朝起きて団子食べるみたいな(笑)。当時はそれがかっこいいんだと思っていたんですけど、今思うと全然そんなことないんですよね」

そして、5年前にテレビ番組の企画で受けた人間ドックで、脳動脈瘤が発覚。人生で初めての手術には、いろいろな不安や葛藤があったそうです。

「命の保証がないぐらいの病気が発見され、これからも自分がライブできるのか、DJできるのか…それ以上に普通の生活がもうできるかわからない。だから、このままだと『自分の存在がもうなくなっちゃうんだな』っていう恐怖があって…。無事に手術が成功したあとも、『これからどうやって、暮らして、生活できていくんだろう』っていう不安もありましたね」

●不安な時間も支えてくれた「家族」の存在

そんなDJ KOOさんを支えたのが「家族」の存在です。

「親としては、大変な手術で、痛い痛い叫んでいる姿を娘とかに奥さんに見せたくないじゃないですか。でも、いちばん見せたくない姿を家族が見て支えてくれて、『いただいた命だと思って、ひとつずつ慌ててないでがんばっていこう』って。家族の一致団結感が生まれたというところがすごく大きいですね」

そこから、「自分の体を大切にすれば、仕事もちゃんとできて、家族や仲間も大切にすることができる」ことに気づき、考え方や生き方が変わったのだとか。

「それまではかっこいいDJをやるんだ、という考えだったのが、病気のあとは助けてくれたいろんな人に元気を届けなきゃいけない! という気持ちになりましたね。だから、この本を出版したのも、ちょうど60歳を過ぎて、自分の中でいままで考え貯めてきたことが、皆さんの生活のルーティンに加わってくれればいいかな、と思ったんです」

●親になって、子どもから学ぶことも多い

病気が見つかる前から仲がいい家族だったと言いますが、病気を乗り越えて、その絆はさらに強くなりました。

「娘の試験が終わったらお疲れさま、とか、ケーキを買って来たりとか。自分の持っているものも、本当に全部、娘や奥さんからいただいたものばっかりなんですよね。たとえばお財布も、ずっと誕生日や結婚記念日にもらったもの。それも、財布のここがちょっと使いにくそうだな、と気がついたら新しいのにしよう、ってプレゼント。家族同士が見てるっていうのはいいな、と思いますね。最近は唯一、歯磨き粉がなくなったよって言ったぐらいですね(笑)」

仲がいいDJ KOOさんのおうちですが、子育てにおいて大切にしてきたのは、「小さい頃から子ども扱いしないようにすること」。常に親と同じ目線で娘さんと話をすることを心がけてきたと言います。同時に、娘さんに教えてもらうことも多いのだとか。

「子どもが生まれてから子どもに教わることがすごく多いですね。親になって、また新たに一つ一つ勉強したり、人と関わるときには、こういうことに気をつけて友達づきあいをしていくべきなんだとか。そういう常識的なことから心遣いまで、もう一度なにか見直したような感じ。やっぱり子どもって家族の中ですごく大きな存在ですよね」

●SNSも家族ぐるみで楽しむ

「洋服の情報とか、子ども中心にどんどん出てきて、今はなにを楽しんでるんだろう、なにが好きなんだろうっていうことを家族で共有し合ったりしますね。おかげで僕のSNSも家族ぐるみで、『こういうデザートをデパ地下で売ってたから、これを載せるといいんじゃない?』って奥さんが買ってきてくれたり、娘は写真を撮るのが上手いから『この角度で撮ろうよ』とか」

そして、家族の仲を深めていくのにも、「ルーティン」をつくるのはいいと言います。

「プレゼントルーティンとか、そういう家族行事のルーティンをつくっていくと、家族同士の目線でちゃんと自分を見られてるんだ、こうやって考えてくれてるんだ、っていう“家族ぐるみ”という形ができますよね。旅行にしろ、ちょっとした食事にしろ、なにか家族でやるルーティンをひとつ見つけるといいかもしれないですよね」