体がだるい、長引く倦怠感などに悩まされていませんか? 自律神経の不調が原因かもしれません。今回は、 医師の小林弘幸先生に、自律神経を整える方法を教えてもらいました。

不眠やだるさ、うつっぽいのは自律神経のせいだった!

 

まだまだ残暑が厳しい時季。暑さを感じると、血管を拡張させて熱を外に逃がす役割をもつ副交感神経が優位になりやすくなります。「加えて、夏バテによりだらけて過ごしてしまうことも、副交感神経が過剰に優位になる原因に。不眠やだるさ、うつっぽさなどの症状を招きやすいので注意しましょう」

●自律神経には2つの種類がある

体を活動モードにする「交感神経」

交感神経が優位になると、血管が収縮して血流は停滞し、心身が活動・緊張モードに。日中はおもに交感神経が優位になります。

たとえば
・興奮時
・運動時
・汗をかく

体をリラックスさせる「副交感神経」

副交感神経が優位になると、血管が拡張して血流が促進し、気分は落ち着いて心身ともにリラックス。副交感神経は夜に優位になります。

たとえば
・寝る前
・リラックスしたとき
・食べたあと

●暑さを感じると副交感神経が優位になりがち

残暑が厳しい今は、副交感神経が優位になりやすい季節。だらけて過ごすと副交感神経が過剰に優位になるので、活動的に過ごしながら交感神経を適度に高めるのが不調を防ぐポイントです。2つの自律神経がともに正しく働いている状態が理想!

適度に交感神経を高める方法とは?

交感神経の高め方を小テスト形式で紹介します。チェックしてみましょう!

●問題1:休日の起床時間で正しいものは?

a:朝はゆっくり起きる
b:平日と同じ時間に起きる

ヒント:休みの日でも生活リズムを変えないで

朝寝坊をすると、朝になっても副交感神経から交感神経へのきり替えがうまくいかず、自律神経を乱す原因に。生活リズムを整えて、毎日の起床時間が変わらないように意識しましょう。

答え…b

●問題2:朝起きてなにをすると交感神経が高められる?

a:太陽の光を浴びる
b:朝食を抜く

ヒント:朝の光で体を目覚めさせて自律神経スイッチをオン

朝起きたら太陽の光を浴びると、体内時計が刺激されて自律神経が整い、副交感神経から交感神経にスムーズにきり替わります。朝食も交感神経のスイッチを入れるのに欠かせません。

答え…a

●問題3:夏、ランチに食べるととくによいメニューは?

a:そうめん
b:カレー
c:サンドイッチ

ヒント:交感神経を刺激することがカギ

副交感神経が過剰に優位になってだるさを感じているときは、ランチに香辛料を使ったメニューを選ぶのがおすすめ。香辛料には交感神経を高める働きがあるうえ、食欲増進作用もあります。

答え…b

●問題4:身につけるとよい運動習慣は?

a:1日3〜4回軽くスクワット
b:朝起きてすぐのランニング

ヒント:適度な運動を毎日続けることが大切

朝は自然に交感神経が高まるので、走ったり、激しく運動すると交感神経が過剰に優位になって疲れてしまいます。交感神経を適度に高めるなら1日数回、軽い運動を。自律神経のバランスが整います。

答え…a

●問題5:やる気を出したいときに飲むとよいドリンクは?

a:ノンカフェインのハーブティー
b:コーヒー

ヒント:頭がさえる飲み物でだらけた気分をリセット

だらけそうなときは頭がシャキッとする飲み物が効果的。カフェインには交感神経を活性化する作用があり、脳が活性化します。リラックスしたいときはノンカフェインのハーブティーを選びましょう。

答え…b

心を整えると自律神経も整う!

心と体は互いに影響を及ぼし合うもの。心を整えると自律神経も安定します。心のコンディションの安定する方法を紹介!

●達成したい目標を決める

「“やらなきゃ”と思い続けるとかえってストレスになるので、前向きに取り組める難易度の目標を決めましょう」。部屋の片づけなど、小さなことでOK。目標に向けて活動的に過ごせ、クリアできたら達成感も味わえます。

●きれいなものを写真に撮ってインスタグラムにアップ

1日1枚写真を撮ると、忙しい日常をリセットして、自分の気持ちをきり替えることができると小林先生。「さらに、それをSNSにアップする習慣をつけると、周囲に目を向けるきっかけに。ただし人の評価は気にしないこと。