原巨人 5位転落!深刻な「投壊」招いた「あの戦犯」とは

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 泥沼から抜け出せない。巨人は17日の広島戦(東京ドーム)に5ー10と敗れ、今季ワーストタイの5連敗。5位転落は4年ぶりとなった。同一カード3連戦で3試合続けてグランドスラムを浴びるのは史上初の屈辱、「投壊」現象は深刻で最下位も現実味を帯びてきた。

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 途中までは勝ちパターンだった。初回にウォーカーの2ランが飛び出し、3回にはこのところ調子を上げてきた中田も2ランとリードを4点に広げる。

 悪夢は4回に訪れた。4回一死満塁とし、迎えた坂倉に先発の高橋がフェンス直撃の適時二塁打を許すと、長野、小園に連続四球。球は抜け、ストライクが入らない。それでもベンチは動かない。一死満塁から、このカード初戦にグランドスラムを放っている磯村に痛恨の押し出し四球を与えた時点で、交代。ベンチの原監督は太ももをバシッと叩いた。ふがいない左腕へのいらだちが現れていた。

 後を継いだ鍬原も流れを変えられなかった。一死満塁で迎えた堂林にカットボールを打たれ、満塁弾を浴びた。初戦は菊地、2戦目は戸根が満塁弾を許した。主催試合で今季最多の4万564人の観客が詰めかける中、3試合連続の惨状に本拠地に応援に訪れたファンからは悲鳴が漏れた。

 試合後の原監督は「私とコーチ陣の指導が悪いということ。選手は懸命にやっている。しっかり受け止めて指導していく」と責任を認めたが、中でも投手陣の不調は深刻だ。

 この日先発した高橋は再び抹消が決まった。このカードでは先発のアンドリース、中継ぎの戸根の抹消も決まるなど、ここにきて入れ替えが激しくなってきている。

 この3試合では3試合連続で満塁弾を浴びるなど、8被弾27失点となった。交流戦中から指摘されていた中継ぎ陣の整備どころか、先発陣をどう回すかにも頭を悩ませる状況となっているのだ。

 一つの原因として上がるのは登板過多の問題だ。この日、満塁弾を浴びた鍬原はこの試合が40試合目、4番手で登板し失点した今村も38試合目の登板となった。

 「昨年も同様のことが指摘されているが、マシンガン継投の弊害はある。他球団と比べても登板数が多くなっており、勤続疲労で球に勢いもなくなり、打たれるべくして打たれている。リフレッシュさせようにも、ここまで頻繁に投手入れ替えをしていれば、替える投手もいない。非常に厳しい印象です」(球界関係者)

 昨年も批判を集めたマシンガン継投の弊害が出てしまっているというのだ。原監督の継投策、また投手陣を整備するコーチ陣に厳しい目が向けられている。

 この日の敗戦で第3次原政権では初めての5位転落。最下位の中日にも3・5ゲーム差に迫られている。この苦しい状況を救うには先発ができるだけ長く投げ、打線が奮起することに尽きる。18日のヤクルト戦(神宮)に先発するエース・菅野の力投に期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]