お中元の季節が近づき、相場や贈り方が気になっている人も多いでしょう。慣れていないと、お中元を贈る時期について悩む場合もあります。お中元は感謝を伝えるためのものであり、基本的なマナーを守って贈ることが大切です。

この記事では、お中元の相場とともに贈るタイミングについても詳しく解説するので、参考にしてください。

お中元とは

お中元とは、普段お世話になっている人に対して感謝の気持ちを伝えるための贈り物です。「中元」は道教に由来する行事を表しており、旧暦の7月15日に行われてきました。その後、仏教の行事である盂蘭盆節(うらぼんえ)とともに催されるようになりました。盂蘭盆会は、祖先の霊を供養するために行われます。そこから、お世話になっている親戚や知り合いなどに贈り物をする習慣へと発展しました。

夏に贈り物をするお中元の習慣は、現代にも残っています。お中元を贈ることで、相手に対する感謝の気持ちを改めて伝えられます。気持ちよくお中元を受け取ってもらうためには、基本的なマナーを理解しておくべきでしょう。

なお、お中元を贈る時期は地域によって違いがあるため、確認したうえで贈り物を用意する必要があります。地域ごとのお中元の時期については、後で詳しく解説します。

お中元の相場は

お中元を贈るときは、金額に悩む人も多いようです。ここでは、お中元の相場について説明します。

相場は3,001~5,000円

洋菓子はお中元の定番

お中元として贈る品物の金額は、3,001~5,000円程度が相場となっています。株式会社Cake.jpが公開している調査結果によると、お中元として贈る品物の価格帯は3,001~5,000円と回答している人が61.0%、3,000円以下と回答している人が25.9%でした。

ただし、この結果はあくまでも目安であり、必ず3,000~5,000円程度の贈り物を用意しなければならないわけではありません。相手との関係や状況に応じて品物の金額を決めましょう。

出典:株式会社Cake.jp 「お中元・夏ギフトに関する意識調査」

金額よりも感謝の気持ち

お中元は金額よりも感謝の気持ち

すでに説明したとおり、お中元はお世話になっている人へ日頃の感謝を伝えるための贈り物です。そのため、最も重要なのは、感謝の気持ちをしっかりと表すことです。お中元を贈るとなると相場が気になりますが、金額だけにこだわりすぎないようにしましょう。

高額な品物を贈れば喜ばれる可能性は高まりますが、相手によってはふさわしくない場合もあります。たとえば、消化器系の持病がある人へ高級和牛を贈っても、食べてもらえない可能性があります。お中元で感謝の気持ちを伝えるためには、相手の状況をよく考えたうえでふさわしい品物を選ぶべきです。相手のことを思いながら最適な品物を選びましょう。

お中元を贈る時期は

お中元は旧暦の7月15日が基準となっていますが、地域によって贈る時期に差があります。ここでは、お中元を贈る時期について地域ごとに解説します。

関東・東北

関東・東北では、お中元を7月1日から15日までに贈るのが一般的です。お中元を直接贈る場合は、この時期に渡せるように準備しましょう。

なお、お中元は配送するケースが多くなっています。配送する場合もこの時期に相手へ届くように手配する必要があります。ただし、お中元の時期になると配送が混み合うため、早めに手配するのがおすすめです。お中元の配送は6月中旬頃から可能であり、この時期に予約する人も多くなっています。

北海道・東海・関西・中国・四国

北海道・東海・関西・中国・四国では、7月中旬から8月15日までにお中元を贈るのが一般的です。お中元を贈る時期は早まっている傾向があるため、7月中旬に相手へ届くようにするといいでしょう。

ただし、北海道はほかの地域よりも配送に時間がかかります。期間中にお中元を届けるためには、余裕をもって手配しておくと安心です。

北陸

北陸では、エリアによってお中元を贈る時期がそれぞれ異なっています。そのため、相手がどこに住んでいるのかよく確認したうえでお中元を手配しなければなりません。具体的には、新潟県や石川県の金沢市は7月1日から15日まで、富山県や石川県の能登町では7月15日から8月15日までがお中元の時期です。石川県は県内でもお中元の時期が異なるエリアがあるため、特に注意しましょう。

相手が住んでいるエリアのお中元の時期について判断できない場合は、7月15日を目安にすれば失礼にあたる心配はありません。

九州

九州では8月1日から15日までがお中元の時期です。お盆の時期と重なって慌ただしくなる可能性もあるので、忘れないよう早めに品物を準備しておいたほうが無難です。ほかの地域の人にもお中元を贈る場合は、同時に予約を済ませておくと安心できます。

沖縄

沖縄ではお盆の時期にお中元を贈ります。沖縄のお盆は旧盆であり、旧暦の7月13日から15日までの3日間が該当します。そのため、沖縄のお中元の時期は8月後半ですが、毎年日付が異なるので注意しましょう。沖縄へお中元を贈る場合は必ずカレンダーを確認し、お中元の時期がいつなのか調べておく必要があります。時期が限られているため、着実にお中元が届くように手配してください。

お中元をもらったら

お中元をもらったらお礼状を書こう

お中元はお世話になっている人へ感謝の気持ちを伝えるためのものであり、一般的には目下の人から目上の人へ品物を贈ります。お中元を受け取った場合、基本的にはお返しは必要ありません。ただし、贈り物への感謝を伝えるため、お礼状を出しましょう。親しい相手であれば電話やメールで感謝を伝えるだけでも問題ない場合もありますが、基本的には手紙を出して丁寧に対応すべきです。

もちろん、お中元に対してお返しの品物を贈っても構いません。その場合も先にお礼状を出したうえで、品物を手配しましょう。お礼はすぐに伝えたほうがいいからです。お礼の品物をすぐに用意できる場合は、お礼状と一緒に贈ってもいいでしょう。

まとめ

お中元を贈るときは、相場や時期を考慮することが大切です。お中元や暑中お見舞などの習慣はなくなりつつありますが、日本の大切な文化や伝統の一つです。相手への感謝を伝える機会になるため、今回紹介したさまざまなことに配慮したうえでお中元を贈りましょう。