暑い日に増加する「腕出し運転」問題無い? 「安全運転の義務」に抵触? 事故時に被害拡大に繋がる恐れも

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「暑いな〜」とつい腕出し運転 違反になる?

最近は、気温が徐々に高くなっており、夏日の暑さが続く季節が近づいています。2022年5月下旬には35度を超える猛暑日も観測され、夏を目前に暑さを感じる日もあります。

クルマの冷房は、スイッチを入れても車内に行き届くまで時間かかるため、窓を全開にしているということもあるかもしれません。

【画像】あなたは知ってる? 正しい「ハンドルの持ち方」を画像で見る!(7枚)

 なかには暑いからと、つい腕を出して運転している人を見かけることがあります。

運転している最中に車外に手を出すことは危険なように思えますが、あれは問題にはならないのでしょうか。

夏場に多い「腕出し運転」問題ない? 画像提供:烏山自動車学校

 いわゆる「腕出し運転」についてSNSでは、「最近腕出し運転よく見かける」「腕出し運転多いな」「カッコいいと思ってやってるのかな?」といった声や、「腕出し運転してると思ったら火のついたタバコをポイ捨てされた」というユーザーの反応が見られています。

 では、道路交通法には規定などないのでしょうか。

 道路交通法第70条「安全運転の義務」では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。

 腕出し運転は、片腕がハンドルから離れているといえるため、状況によっては片手運転に該当するといえます。

 しかし、「片方の腕を窓から出す」「片手でタバコを吸いながらハンドルを握る」など、具体的に道路交通法で明記されていないため、直接的な違反に繋がるかというと状況によって異なるといえます。

 警察署の交通課担当者は以下のように話します。

「腕を出して運転しているケースは直接的に道路交通法に繋がるかというと状況によっても異なります。

 ただし、腕を出しての運転は対向車線にぶつかるなどの危険性もあるのでやめたほうが良いです。

 また、たばこなどを吸って灰を外に捨てている人は、灰が歩行者などに飛びとって危険なため、警察では呼びかけなどもおこなっています」

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 また腕出し運転の危険性について、烏山自動車学校の教員は以下のように話します。

「腕を出すことの危険性として、片手運転になり危険が発生した際にハンドル操作が遅れることや、進路変更や右左折をするためのウインカーを出し遅れるなどが挙げられます。

 また腕を車外に出していると対向車や障害物に接触した際、怪我をする恐れも考えられます。

 以前当校のSNSアカウントにいただいたリプライには、以前運転中に窓から腕を出していたことによって交通事故で腕を切断された人もいらっしゃるようです」

 正しい運転方法について、前出の担当者は以下のように話します。

「ハンドル操作は交通事故防止のため両手で確実におこなう必要があります。

 ハンドルやそのほかの装置は、両手を使って操作するようになっているため、意図的に片手でハンドルを操作することは、自ら危険性を高めている行為といえます。

 もし暑く感じる場合は、腕を出さずにエアコンを迷わず使い温度や風向きなどを調整して快適な車内環境にすることが大切です」

 運転をする際は、ハンドルを両手で運転操作することが安全運転につながるといえます。