障がいのある家族などの世話をする子ども「ヤングケアラー」について理解を深めようと宇都宮市内で16日、講演会が開かれました。

講演会は福祉団体などが主催したもので会員などおよそ60人が参加しました。

オンラインで講師を務めたのは自身もヤングケアラーだった作業療法士の仲田海人さんです。

仲田さんは、小学校高学年の頃から精神障害のある姉の世話をしてきた経験などをもとにヤングケアラーの現状や課題について講演しました。

ヤングケアラーの問題を巡っては昔は家族3世代が同居して子育てなどを助け合っていましたが核家族化が進んだ現代では自分を犠牲にして子どもが家族のケアをする場面が増えてきたという背景があります。

こうしたなか仲田さんは、家族とは別に社会全体がサポートできる体制が必要だと訴えました。

家族で悩みを抱えずケアをするきょうだいの未来に選択肢を残すためには社会保障や福祉を最大限に活用することが前提だと説明したうえで、周囲の人たちがヤングケアラーに寄り添う気持ちが大切だと訴えました。