市貝町の入野正明町長は15日、栃木県庁で会見を開き、2050年までに町の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。

ゼロカーボンシティは県や那須塩原市、高根沢町などがすでに宣言していて、市貝町は県内11カ所目となります。

町では基準となる2013年度に14万トンだった二酸化炭素の排出量を2030年度には50%減の7万トンを目指し、2050年度には実質ゼロを計画しています。

   

町で目指しているのは町民に我慢を強いる二酸化炭素の削減ではなく、町内の豊かな自然や農業を生かした事業です。現在、市貝町では有機肥料を購入する農家に購入費の8割を補助しているほか、今後は二酸化炭素の排出を抑えると言われる有機農業への切り替えの推進や環境に優しい農業を営む企業の誘致などに力を入れるとしています。

入野町長:「有機農業は大型ではなく家族農業で機械はほとんど使わない。メダカやドジョウ、ヤゴもいる。自分たちの未来が悲観的ではなく明るく見えるように」

また、市貝町はおよそ6億円の予算をかけ2023年1月までに役場にソーラーパネルの設置や照明のLED化を計画していて、年間で2,740トンの二酸化炭素排出を削減できるとしています。家庭用の太陽光発電システムの設置にも現在1割の補助を行っていて、今後は水力・バイオマス発電の推進にも取り組んでいくということです。そのほか農林業の衰退による耕作放棄地や里山の整備を行い二酸化炭素を吸収する植物を育てていく方針です。

入野町長:「我慢ではなく地域を元気にする。発想を変えて子どもたちの未来が保障されるよう取り組んでいく」