豊洲市場おいしい土曜マルシェ名物・豊洲鍋 小池都知事の前で市川海老蔵が「全然知らない」 - BLOGOS編集部

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※この記事は2019年02月18日にBLOGOSで公開されたものです

昨年10月に開場した豊洲市場の敷地内で、1月から毎週土曜日に開催されている一般客向けのイベント「土曜マルシェ」。

鮮魚、青果、関連用品の販売の他、飲食物の屋台が出店し、これまでに累計3万2000人が来場したという。

2月16日には特別企画として、小池百合子都知事、山崎孝明江東区長、伊藤裕康豊洲市場協会長、伊藤宏之魚河岸会会長、スペシャルゲストとして歌舞伎役者の市川海老蔵を招き「魚河岸と歌舞伎-豊洲市場の未来に寄せて-」と題するトークセッションが行われた。【BLOGOS編集部:川島透】

小池都知事も太鼓判の新名物”豊洲鍋”を海老蔵がバッサリ

イベントの冒頭には、行列のできる場内の寿司店「大和寿司」の握り寿司が登壇者に振る舞われた。

築地時代によく大和寿司に通ったという海老蔵は「これ誰が握ったんですか?大将が握ったんですか?」とチクリ。

司会者が「大将が握っていると思う」とフォローすると、

「本当ですかね?見りゃ分かるんですけど、多分違うなこれ」

と笑い飛ばし、場を盛り上げた。

寿司を食べながらの歓談が続くなか、小池都知事に豊洲市場への慣れを問われた魚河岸会会長の伊藤氏は、

「移転のときは、小池都知事がお出でになって、2年延期になってちょっと恨んだんです。でもやっと慣れまして、仕事には支障がないようです」

と、恨み節も交えつつ順調であることをアピールした。

土曜マルシェで提供される新名物”豊洲鍋”について海老蔵は「勉強不足で全然知らない」とPR不足を指摘。「大変な人気」だと胸を張る小池知事に対しても「でも、知らなかったんです」とバッサリ切り捨てた。

さらに、限定数しか用意されていないことが分かると、

「豊洲鍋をもっと大きくした方がいい。食べたいですもんね、冬場とか」

と提言していた。

海老蔵「父親だけでは子どもたちを支えられないところがある」

海老蔵の十三代目市川團十郎・白猿襲名披露興行が2020年の5~7月に行われることについて、「たまたまかもしれないが、まさに東京五輪とちょうど被るタイミング」だと司会者。

海老蔵は、「いや、父の襲名もそのくらいの月なんです」と”狙った”ことは否定し、5月に歌舞伎座恒例の祭典「團菊祭」が行われるのに合わせる内情を説明しながらも、

「オリンピックの開会も7月24日ですよね?その辺はまあ、会社の方も考えてやってんじゃないですかねえ(笑)」

と笑顔を見せた。

同時に八代目市川新之助を襲名することが決まっている息子・勸玄くんについて問われると、

「本当は團十郎になりたかったらしいんです。新之助になることに対しては非常に不満であるような愚痴をこぼしますね」

と明かす一方、父親としては複雑な思いもあるとし、

「父親だけでは支えられないものもきっとあるんですよ。

私も歌舞伎をやっていて、苦しいときは父に言えないことが、母だからこそ話ができることはたくさんございます。

それが彼らにはないので、それをどうやって乗り越えていくかというのが團十郎襲名と同じくらい大きな課題だなと思います」

と胸の内を吐露した。

「魚河岸で舞台をさせていただけたら」

トークセッションの締めに司会者が「豊洲市場に期待する未来」として、登壇者に一言ずつ求めた。

最後にマイクを握った海老蔵は、「私がそのようなことを言うのは」と一瞬ためらいを見せつつも、

「豊洲市場の中を全部拝見して、話を聞くと、まずすごく設備が整っている。と同時に、ああだこうだという話も耳にします。

でも何事も”最初”というものはそういうことが起こる。

歌舞伎座も五代目になって、前の歌舞伎座の良さ、そして今の歌舞伎座の良さ。長所、短所があるわけですよね。

築地にしても、豊洲にしても長所、短所があるわけです」

と、平成25年に建て替えられた新歌舞伎座を引き合いに出し、物事の変わり目の難しさを指摘。

豊洲という市場で腰を据えて「やる」と決めた以上は、豊洲を中心に食を楽しめる文化が、ここから100年、200年続くものとして、

「その始まりの時期に立ち会えたということは、非常に価値のあることではないかなと思う」

と、前向きに受け止めることの大切さを説いた。

そして最後は、

「微力ながら、私にできることがありましたら、魚河岸様のイベントにまたこうやってお招きいただくなり、ここで舞台を作っていただきまして、舞台をさせていただけたら、わたしとしても『十三代目の團十郎はこんなことをしてたよ』と言われるような役者になりたいのでどうぞよろしくお願いいたします」

「豊洲市場で舞台をやりたい」この一言には大きな歓声が上がり、市場関係者からも拍手が起こっていた。