ミラン、19回目のセリエA制覇。サポーターの熱気にあふれた2日間

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 ミランが11年ぶり通算19回目のスクデットを獲得した。選手たちとサポーターは2日間に渡って、地元ミラノの街で盛大に優勝を祝った。

スタジアムも本社ビルも大騒ぎ

 5月22日、最終節をアウェイで戦っていたミラン。サッスオーロを3-0で破った直後にサポーターがマペイ・スタジアムのピッチになだれ込むなど大騒ぎだったが、ホームのミラノでも試合直後からお祭りムードに沸いた。レプリカユニフォーム姿のミラニスタたちは大挙して街の中心部へ繰り出し、ドゥオーモ広場やビットーリオ・エマヌエーレ2世ガレリアなどの要所を埋め尽くし、旗を振ってチャントを歌った。『コリエレ・デッラ・セーラ』は、その数はおよそ4万人と報じた。

 熱狂は深夜になっても続き、ミランの本社オフィスビル「カーザ・ミラン」の前にはおよそ1万人が陣取り、アウェイから戻ってくる選手たちを待った。そして帰り着いた選手たちはファンに姿を見せると、ズラタン・イブラヒモビッチが代表して挨拶をし「ミラノがミランじゃない、イタリアがミランなんだ」とマイクパフォーマンスで煽って広場のボルテージを上げた。

 翌23日には、優勝パレードが実施された。選手、スタッフらはカーザ・ミランに集い、2台のオープンバスに分乗して出発し、ドゥオーモ広場までの約5kmの道のりを辿って沿道のファンとともに優勝の喜びを分かち合った。

優勝パレードでは選手とファンが喜びを分かち合った(Photo: Mitsuomi Kamio)

コロナ前に似た熱気に

 当初の計画では18時に出発し、2時間後には目的地に到着する段取りだったが、カーザ・ミラン前の広場から沿道に至るまでファンが大集結。経路となった市内の道路はバスの接近とともにファンで埋め尽くされ、発煙筒が焚かれチャントが歌われるなどゴール裏さながらの雰囲気となった。選手たちもそれに応え、バスから記念Tシャツをファンへと投げ、イブラヒモビッチは再三マイクパフォーマンスで煽るなどして熱気を盛り上げた。

 バスは最終的に当初の予定を2時間オーバーしてドゥオーモ広場に到着。選手たちはチャントを歌い叫ぶファンと一緒になって優勝を喜んだ後、広場に隣接した建物にあるレストランへと移動し祝勝会を行った。

 祝勝会にはシルビオ・ベルルスコーニ前会長やアドリアーノ・ガッリアーニ元副会長も招待され、ベルルスコーニ氏はレストランのテラスからワイングラスを片手にドゥオーモ広場のファンに挨拶をした。

 この2日間、軽微な交通事故の他は警察にトラブル等の通報はなかったという。また、イタリアでは新型コロナウイルス感染症による非常事態が3月に解かれ、感染防止対策の諸規制が緩和されている。昨季、インテルが優勝した際は感染爆発の影響を懸念する声が多数上がりクラブも注意を呼びかけていたが、今回の街の雰囲気はコロナ前にだいぶ戻っていた。

Photos: Mitsuomi Kamio, Getty Images