顧客の資金を預かり年利最大15%を約束していた投資サービスのStablegainsが、価格が99%下落したステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の影響で約4400万ドル(約56億円)を失っていたことが明らかになりました。このことにより、Stablegainsに資産を預けた4878人のユーザーが集団訴訟を起こした可能性が指摘されています。

Stablegains Faces Lawsuit After Losing $44M on UST - Crypto Briefing

https://cryptobriefing.com/yield-app-stablegains-faces-lawsuit-after-losing-44m-on-ust/

Stablegainsは顧客から預かった資金で投資を行い利回りを還元するサービスです。Stablegainsは預かった資金を、通貨価格が安定するよう設計された仮想通貨であるステーブルコインのUSD Coin(USDC)やUSTに投資していたのですが、USTの価格がほぼ無価値になった影響で、およそ4400万ドルを失ったと見られています。

価格が99.99%下落した仮想通貨の「Terra(LUNA)」に一体何があったのか - GIGAZINE/

https://gigazine.net/news/20220513-terra-luna-cryptocurrency-collapses/



Stablegainsの共同創設者であるKamil Ryszkowski氏によると、USTがデペッグ(アメリカドルとの価格乖離)が発生する前の時点で、4878人のユーザーから集めた資金を4761万1058.03USTに変換し保持していたとのこと。しかし、USTの価格は記事作成時点で0.076ドルであり、1UST=1ドルが維持(ペッグ)されていた時期と比較して多額の損失を出しているのが分かります。

また、StablegainsはUST価格暴落のさなかにあった2022年5月12日に利用規約の一部を書き換え、「ペッグが回復しないというリスクは0ではない」という一文などを追記したことも指摘されています。





5月19日には仮想通貨案件も受け持つ弁護士事務所のErickson Kramer OsbourneからStablegainsに送られたメールがリークされており、手紙によるとStablegainsは事務所から「訴訟が提起されていなくても、係争中の訴訟に関連する、知っている、または合理的に知っておくべき証拠を保存するための妥協のない義務を貴社は負っている」と伝えられているとのこと。このような文面から、すでに顧客がStablegainsに対して集団訴訟を起こそうとしている可能性が指摘されています。





Ryszkowski氏は「潜在的なメリットとリスクについてユーザーに通知していましたが、これらのリスクが顕在化したことは非常に残念です。できる限りの方法でユーザーを支援したいと考えています」と述べました。