50代、いますぐ「べき」思考は捨てよう。人生を楽しむための4つの工夫
「こうあるべき」「こうするのが当たりまえ」という考え方「べき思考」。家族のための生活が続き、いつのまにか思考回路は一方通行…。常識や一般論で、自分自身を見失っていませんか? トップブロガーであり、著書『新しい幸せの始め方』(KADOKAWA)を出版した中道あんさんに、50代からの「自分らしく生きるための術」について、お話を伺いました。
自己犠牲を払うのはもう終わり。50代、殻を割るための行動
50代の女性の傾向として強いのが「べき思考」や「自己犠牲」だと語る中道さん。人生100年時代、これからの人生を自分らしく生きていくためには、常識にとらわれたり、だれかのために我慢する精神は今すぐ捨てるべきだといいます。そうはいっても、なにから始めたらいいのか…。どう変えていけばいいのでしょうか?
●常識や一般論で見えなくなる自分自身
50代の女性がつい口走ってしまいがちなのが、「普通はこうだよね」「やるべきだよね」という言葉。ここで問いたいのが、「その“普通”って、本当にあなたがそう思っているの?」ということです。
「年齢を重ねるにつれて、思考はどんどんかたまってきますよね。『息子が結婚したらこうあるべき』とか『副菜はたくさんつくらなきゃいけない』とか。それが、一歩踏み出すことへの邪魔をしていと思うんです。常識で生きていくと、自分がどうしたいかよりも一般論を考えがちです。それって自分の意見ではなくて、他人の意見によって生きていくということに」
そんなことをずっと続けていくと、自分のやりたいことがわからなくなるといいます。将来子どもが巣立って、仮に夫にも先立たれたら、「私、いったいどうしたらいいの?」という状況に…。
「自分で決めて生きることを習慣づけていたら、『こんなときはこうしたい』としっかり自分の意思が持てる。孤独感や寂しいといった感情もさほど気にならなくなります」
だからこそ、「べき思考」や「自己犠牲」から自分を解き放つことが大切。一般的にいわれる「普通」は、本当の自分の価値観かどうか、今一度、考えてみるといいかもしれません。
●自分の価値観を見つけるためには?
ファーストステップは、「ふと思ったことを、言い訳をせずにやってみる」ことだそう。好きなことをやっている時間はだれだって楽しいはず。自分でなにをやると楽しいかがわかっているとラクですが、家族中心の生活で、「自分の好きなことがわからない」という人も多いと思います。
「楽しいことがわからない場合は、幼い頃の自分を思い出してみてください。空き箱ひとつあれば、おもちゃにできる発想力があったし、楽しめましたよね。花が好き、本が好き、メイクやおしゃれに興味があるなど、自分の好きなことってなにかしら絶対あると思います」
中道さんは、どんな方法で「べき思考」や「自己犠牲」を捨て、自分の価値観にたどり着いたのでしょうか。日常の些細なことでも、すぐに始められることを聞いてみました。
・1日1食、自分の好きな一品を献立に入れる
日々のごはんづくりが、いつの間にか「家族のため、子どものため」になっていませんか? 家族に出して、残ったものを食べるなんて、知らず知らずのうちに自分を犠牲にしています。まずは、自分の好きな一品を出してみましょう。
・自分だけのおやつを買う
例えば、お店でおいしそうなケーキを見つけても、「自分だけ食べるのは家族に申し訳ない。家族分買うと高いし、今度にしよう」と我慢していませんか? そんなときは、遠慮せずに1人分のケーキを買って食べる! 昼間に至福の時間を過ごしてみてください。
・お金は使うときには使う!
子どもを預けて自分のために時間を使ってみるのも有効です。「シッターさんに頼むと高額だから…」と諦めないこと! 自分の心の安定も大切です。必要な投資はしちゃってもいい!
・1日15分、散歩に出かける
好きなことや自分自身のことを考えたりするのって、リビングなど人の気配がする場所ではなかなかできないもの。そんなとき、少し冷静になれる散歩はおすすめです。気分転換にもなりますし、なにより静か! イライラや日常のストレスを洗い流す、リフレッシュするために歩いてみましょう。体を動かしながらただひたすら歩いていると、俯瞰で見ることができ、新たな気づきや発見がしやすくなります。
●どんどん「自分ファースト」になろう
自分を犠牲にせず、食べたいものを食べるとか、近所に観光に行ってみるとか、映画を1人で観てみるとか。ちょっとしたプチ贅沢をやってみて、なにが好きかを自分で感じてみるのはとても大切なことです。
「『自分ファースト』でいいと、50代の女性には言いたいです。好きなものを見つけるまでに時間はかかるかもしれない。でも大丈夫。焦らず見つめ直してみてください」
こういったことを習慣づけていると、いざ子どもが巣立って50代からの人生を楽しもうというときに、足踏みせずにスッと入っていけると中道さん。子育て中から少しずつ「自分探し」を取り入れて、準備していきたいですね。