小倉彩愛がV争いへ(撮影:鈴木祥)

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<KKT杯バンテリンレディス 2日目◇16日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6499ヤード・パー72>
リーダーボードの最上位にいる西村優菜は同学年。そこから3打差のトータル5アンダーの3位タイにつけるのが小倉彩愛(小倉・さえ)だ。2000年度生まれのプラチナ世代の一角。昨年6月のプロテストに合格した1年目の選手だ。
名前を覚えているファンもいるだろう。2017年、千葉県の我孫子ゴルフ倶楽部で行われた「日本女子オープン」で2日目にホールインワンを達成するなど上位争いに食い込み3位フィニッシュ。その名をとどろかせた。
以降もジュニア大会で活躍したが、ケガもあって初挑戦した19年のプロテストは失敗。その後コロナで世の中が一変したなかでは心もむしばまれていった。「本当に本気でゴルフをやめようかと思っていました」と古江彩佳、西村ら同学年が檜舞台で光を放つ姿を見せるのを横目に、進路に悩んでいた。
しばらくゴルフから一切離れ、ふたたび戻ってきた小倉。昨年6月のプロテストは実力どおり合格を果たすと、昨年のファイナルQTで12位に入り、今季レギュラーツアー前半戦の出場権を獲得。ここまで最高成績18位タイを記録するまでに復活をした。
ここ最近は3戦連続で予選落ちと苦しい戦いながら、笑顔が戻っている。「今シーズンは優勝とシード獲得を目標にしています」と前だけを見据える姿は、すでにプロのそれだ。
最終日は鈴木愛、イ・ミニョン(韓国)という実力者とのラウンド。「自分がどういうプレーができるか楽しみ」と優勝争いは楽しみでしかない。遅れを取ったプラチナ原石が、熊本で輝く時を待つ。(文・高桑均)

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