ストラックアウトにも応用可能「カメラ方式タッチパネル」 後付けでタッチパネルにできる

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最近では、街中でデジタルサイネージを見かけることが多くなってきた。
デジタルサイネージは夜間でも見やすく、動画を再生できる。広告の差し替えも容易にできるため、急なイベント告知や新商品の発売にも素早く対応することができる。

こうしたメリットがあるため、デジタルサイネージ広告の市場規模は拡大傾向にある。サイバー・コミュニケーションズがデジタルインファクトと共同で2020年8月〜10月に実施したデジタルサイネージ広告市場に関する調査では、2020年の市場規模は516億円で、2024年には1,022億円になると予測される。

こうしたデジタルサイネージの泣き所は、一度導入すると、コスト的な面でなかなか新しくできない点だ。
たとえば、街を案内するデジタルサイネージの掲示板の中には、タッチパネルに対応していないものも見受けられる。
また会社にある大型テレビをタッチパネル化したい企業もあるだろう。

「第31回 Japan IT Week 春」の株式会社ニューコムのブースで展示していたカメラ方式タッチパネルは、こうした課題やニーズを解決するのに打ってつけの製品だ。


■後付けタッチパネルの特徴
カメラ方式タッチパネルは、後付けタッチパネルだ。
パソコンモニターや液晶テレビ、プラズマテレビなどで、タッチ機能を備えていない製品があった場合、後付けでタッチパネル化することができる。

価格は、
・Xiroku Touch XT-Fシリーズ(ガラスなし) 32〜65インチまで 15万2,000円〜
・Xiroku Touch XT-Gシリーズ(ガラスあり) 32〜65インチまで 18万6,000円〜
※価格は、参考価格

Xiroku Touch XT-Fシリーズは、ガラスなしのタイプだ。
赤外線を照射するカメラユニットがフレームの上部の左右に搭載され、赤外線を照射する。
照射した赤外線は、フレームの下部の反射テープによって反射される。上部のカメラユニットが、この赤外線を受信する。
このときに独自のCMOSイメージセンサーが耐・外乱光機能を強化するため、高速で精度の高い座標検出ができる。

Xiroku Touch XT-Gシリーズは、ガラスありのタイプだ。
使用するモニターに合わせてセンサーを組み込んだアルミフレームを制作する、カスタマイズモデルとなっている。ガラスがあるため、画面を保護することができる。


カメラ方式タッチパネル。目立つ展示であるだけに、足を止める来場者も多かった。


他社製品との大きな違いは、
・タッチへの反応速度が高速
・大画面への対応
この2点だ。

カメラ方式タッチパネルの仕組みは、こうだ。
赤外線を照射するカメラモジュールがフレームの上部の左右に搭載され、赤外線を照射する。
照射した赤外線はフレームの下部の反射テープによって反射され、上部のカメラユニットが、この赤外線を受信する。
このときに独自のCMOSイメージセンサーが耐・外乱光機能を強化するため、高速で精度の高い座標検出ができる。


この部分に赤外線を照射するカメラユニットが設置されている。



■セットアップは? 何ができる?
カメラ方式タッチパネルのUSBケーブルをWindowsパソコンに接続すると、Windows標準のデバイスドライバーが自動的にインストールされて、セットアップは完了だ。
Windowsマルチタッチに対応しているため、タッチパネルを搭載したWindowsと同等の作業ができる。

スタッフによれば、フレームであるため、距離感がつかみやすく操作がしやすいとのこと。
モニターと独立しているため、フレーム内であれば、画面からどれだけ離れていても操作が可能だ。

ブースでは、Google Earthのデモンストレーションを実施していただいた。
試しに筆者もタッチ操作を体験してみたが、ほとんど遅延が感じられず、後付けと思えないほどの快適なレスポンスであった。


YouTube:https://youtu.be/tr-A-8-6uPQ


■ストラックアウトなどの体感ゲームへの応用も
スタッフによると、カメラ方式タッチパネルはフレーム内をさえぎった影によって、その座標を特定する。
そのため、フレームのみであれば、その間を通った物体の座標を検知するとのこと。
ストラックアウトのような体験ゲームへの応用が期待できるという。


カメラ方式タッチパネルは、画面にタッチした指の影によって、座標を検出する仕組みだ。


株式会社ニューコムのホームページでは、これまで2基だったカメラモジュールに加え、フレームの各四隅にカメラモジュールを組み込んだ「四眼型タッチパネル」の情報が掲載されている。ゴーストを軽減できるうえ、複数人でのタッチやジャスチャ操作が可能だ。こちらは最大200インチまでのモニターに対応しており、Windows Touchのジェスチャ操作もサポートする。


株式会社ニューコムのホームページには、四眼型タッチパネルの情報が掲載されている。


カメラ式タッチパネルはパソコンモニターから、デジタルサイネージ、電子黒板用途まで幅広く対応することができる。後からタッチパネルの機能が必要になったとき、カメラ式タッチパネルであれば、買換えよりも安価に導入できるだろう。


カメラ式タッチパネル




ITライフハック 関口哲司