高山稲荷神社の鳥居、鶴の舞橋の美しい雪景色。冬の青森・絶景旅

写真拡大 (全30枚)

こんにちは。旅好きのトラックメイカーの観音クリエイションと申します。

温泉、絶景、ローカル線、郷土料理……。旅好きの心を躍らせる、これら4つの要素をすべて満たす旅先が東京から列車で片道約3時間の距離にあるのをご存じでしょうか。

それは本州最北端の地、青森県。

今回は新調したカメラを首からぶら下げて、一面雪景色の真冬の青森県を1泊2日で巡ってきました。

東京駅

東京から約3時間で本州最北端、青森県へ

旅の始まりはJR東京駅から。東北新幹線「はやぶさ」に乗り込んでJR新青森駅へ。所要時間は片道3時間ほど。新青森駅からはローカル線に乗り換えて、JR陸奥鶴田駅(むつつるだえき)を目指します。

新青森駅、奥羽本線のホームは雪で真っ白。東京からたった3時間の移動でここまで景色が変わるとは。

川部駅

豪雪地帯のローカル線から見る雪景色は圧巻

奥羽本線に乗り込んで数分で、雪はさらに深くなりました。車窓から見える風景はまるで日本画のよう。非日常な白銀世界を目にするとシャッターを切る回数が自然と増えてしまいます。

新青森駅から約30分、JR川部駅で下車して五能線に乗り換えました。

五能線の先頭車両から見える風景。レールが埋まるほどの積雪量でもダイヤ通り列車が動くのはすごいよなあ。

陸奥鶴田駅

五能線 陸奥鶴田駅で下車

川部駅から五能線に乗り換えて約20分でJR陸奥鶴田駅に到着。

駅舎の形が面白かったので記念に撮影。タンチョウヅルをイメージしてつくられたそうです。そう言われてみると頭が赤いタンチョウヅルが羽ばたいている姿に見えてきますね。

陸奥鶴田駅から、絶景ポイント「富士見湖パーク」へ向かいます。移動はタクシー(約15分/2,500円ほど)が便利。列車の到着時間に合わせて陸奥鶴田駅前のロータリーで待機しているタクシーがあったので、そちらに乗り込みました。

僕が今回利用したのは鶴田タクシー。もしロータリーでタクシーが見当たらない場合は、以下の番号から電話で配車をお願いすることもできます(2022年1月取材時)。

(有)鶴田タクシーTEL:0173-22-3515
(有)能率タクシーTEL:0173-22-2002

富士見湖パーク

津軽富士見湖にかかる「鶴の舞橋」を渡る

「富士見湖パークまでお願いします」と運転手さんに告げて発進。雪国の冬の道は滑りやすく道幅が狭くなっているので運転が難しいのですが、地元の運転手さんのドライブだと安心して体を預けられます。

「今年は雪が多いけど、今日は穏やかな天気だから良いタイミングで来たねえ。昨日は吹雪いてて大変だったんだから」と、津軽弁の運転手さんとの会話に旅情を感じていたら、目的地の富士見湖パークに到着しました。

富士見湖パーク内の津軽富士見湖にかかる「鶴の舞橋」。冬の青森は寒いけど、真っ白な雪の中に浮かぶ、この幻想的な景色を眺めに来るだけでも訪れる価値が十分にあります。

鶴の舞橋は日本一長い木造の三連太鼓橋だそうで、その全長はなんと300メートル。「長い木の橋」=「長生きの橋」と読めることから、開運・長寿のパワースポットとされていて、橋を渡ると長生きができると言われているとか。僕は120歳ぐらいまで生きたいので念のために2往復しておきました。

橋の上から見下ろす津軽富士見湖の風景。しんとしていていい感じ。

湖の面影がまったくなくて、「ここ、本当に水場なのか?」と疑って地図アプリを開いたらちゃんと湖。津軽富士見湖が埋まるほど雪が積もってるだけでした。東北の雪のボリューム感は半端ない。

2往復するころに吹雪き始めて、体も冷えてきたので退散。今日はこのまま温泉宿に向かって温まらせていただくことにします。

富士見湖パークから鶴田タクシーに電話して迎車を依頼したら、来たときと同じ運転手さんが来てくれて、「寒かったべやー!?」と笑顔でドアを開けて迎えてくれました。

当初はここから陸奥鶴田駅まで戻って、五能線で約5分のJR五所川原駅で宿の送迎をお願いする予定でしたが、この日は五能線が保守工事のため一部運休とのこと。そこでタクシー(約25分/9,000円ほど)で直接宿へ向かうことに。

稲垣温泉ホテル花月亭

稲垣温泉で、源泉掛け流しの温泉を楽しむ

今回宿泊するのは「稲垣温泉ホテル花月亭」。総ヒバ造りの風情あふれるお宿です。

チェックインしてすぐに温泉へ。露天風呂の雰囲気もさることながら、ここの泉質が最高で最高で。

花月亭の温泉はナトリウム塩化物泉の源泉掛け流し。汗の蒸発を防いでくれる効果があるから保温効果が高くて、お風呂上がりもずっとポカポカ。そして肌が赤ちゃんみたいにつるっつるになって感動しました。ぜひまた入りに来たい温泉のひとつです。

しっかり温まった後は、お楽しみの夕食へ。

せんべい汁、あんこうの肝和え、鰆の西京焼、甘めに味付けされた茶碗蒸しなどなど、バラエティ豊かな郷土料理が並ぶ和食膳。どれも手がこんでいてとても美味しい。

初めて食べて気に入ったのがこちらのせんべい汁。パリパリのお煎餅をお鍋に入れて、くたくたになったところで地野菜と一緒に食べます。出汁を吸った煎餅のフニフニした食感がたまらない。

美味しい料理で体を温めたら今日はこのまま早めの就寝。旅の疲れをほぐして明日に備えます。

高山稲荷神社

雪景色の中に朱色の鳥居が並ぶ、高山稲荷神社へ

翌朝、宿で朝ご飯をいただきながらテレビのニュースを眺めていたら、前日の青森県内は1日で1メートルを超える雪が積もった地域もあったそう。10年ぶりの積雪量とのことで、足元に気をつけながら2日目の行程に挑みたいと思います。

前日お世話になった鶴田タクシーにホテルまでのお迎えをお願いして、絶景ポイント「高山稲荷神社」へ(約20分/5,000円ほど)。

街ゆく車の屋根にも雪がどっさり積もっていたり、除雪された雪が肩の高さぐらいまで積み上げられていたりして、「一晩でこんなに……!」と、道中の景色も非日常で楽しい。

高山稲荷神社に到着。創建は鎌倉時代から室町時代で、ご神徳は五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、交通安全、開運招福などなど。歴史が深く、たくさんのご利益がある神社です。

階段が結構急になっているので、滑らないよう注意しながら奥へ。

一番奥まで進むと目に入ってくるのがこちらの千本鳥居。真っ白な雪に鳥居の朱色がずらっと並ぶ光景に度肝を抜かれて「うわーーー」「えーーーー」「すごーーーーー」などの感嘆詞が自然と口からこぼれ落ちました。

ふかふかの新雪を踏み固めながら鳥居をくぐり続ける。そんな不思議な体験ができるのはここ高山稲荷神社ぐらいかもしれません。こんな景色今まで見たことない。

てっぺんからの景色はこんな感じでこれまたすごい。

冬に青森を訪れる際は雪対策もお忘れなく。境内は膝まで埋まるほど雪が積もっているところもあるので、スノーブーツやスノーボードウェアなどを装備しておくといいです。

絶景を拝んだあとは参拝路を引き返して帰路へ。社務所にきつねみくじというものがあったので神社を出る前に引きました。

大吉! 2022年も運だけで生きていこうと思います。

おみくじが入っていた狐の縁起物は持ち帰って開運の置物として飾るそう。自宅の玄関に飾って福を引き込んでもらいます。

五所川原駅周辺

「亀乃家」で名物の「天中華」をいただく

高山稲荷神社前から五所川原駅までバス(五所川原〜市浦庁舎線)を利用する予定だったのですが、神社の方によると雪の影響でバスの運行が乱れているとのことで、再びタクシーで五所川原駅へ(約35分/8,000円ほど)。

お腹が空いたので、駅から徒歩5分の「亀乃家」に立ち寄ってお昼ご飯をいただきます。

注文したのは名物の「天中華」(税込800円)。中華そばに天ぷらをのせたご当地ラーメンで、亀乃家さんの天中華にはホタテをふんだんに使ってサクサクのかき揚げにしたものがのせられていました。

優しいスープにちぢれ麺、そしてじんわりと口に広がるホタテの旨み。青森の旅を締めくくるのにこれ以上ない1杯でした。うまかった……!

食後は五所川原駅から五能線と奥羽本線を乗り継いで新青森駅まで戻って帰京する予定でしたが、これまた大雪の影響で午前中からダイヤに乱れが。そのためバス(五所川原〜青森線)を利用しました。所要時間は約1時間、運賃は1,060円。乗り換えなしで新青森駅の南口まで行けるので便利ですよ。

豪雪地帯の雪を全身で感じて、温泉で癒やされて、美味しい郷土料理を楽しむ。真冬の青森を大満喫した1泊2日でした。

真冬に訪れたのは初めてでしたが、青森までは新幹線でゆったりと、現地ではタクシーをうまく使うことで快適に旅が楽しめます。普段と違う旅がしたい方はぜひ一度、青森を訪れてみてはいかがでしょうか。

東京駅

掲載情報は2022年3月15日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。