「じゃあ四千円“だけ”もらっていい?」会計時にドヤ顔の男。なのにその後、家に誘ってきて…
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「一度目は熱い抱擁までしたのに、二度目のデートで女の態度が急変した理由は?」という質問。さて、その答えとは?
マッチングアプリで出会った、3歳年上の辰哉。
アプリ上でメッセージのやりとりをしている時点から“話も合うし、いいな”と思っていたけれど、実際に会ってみるとその期待をはるかに上回った。
初デートは楽しかったし、久々の”ヒット”だと喜んでいたのだ。
でも、私は二度目のデートで気がついてしまった。彼は典型的なダメパターンだったということに…。
「若葉ちゃん、このあとなんだけどさ…。飲む場所もないし、うちでどうかなと思って」
デートの帰り際に言われたこのセリフ。少しでも何かが違っていれば、もしかしたら彼の家へ行っていたかもしれない。
ただ私は完全に冷めた目で彼を見てしまっていたので、この言葉になびくことはなかった。
どうして二度目で?女が感じたデート中の違和感とは
A1:紳士的で、一緒にいて楽しかった。
彼氏が半年間いなくて、誰かいい人いないかなと思って使い始めたマッチングアプリ。登録してから比較的すぐに、私は辰哉とマッチングした。
大手ディベロッパー勤務の33歳独身。鼻筋が綺麗で整った顔立ち。プロフィールを見た時から期待値は上がっていた。
そしてメッセージのやり取りを始めてみると、これもまた楽しい。会話は弾み、メッセージのテンポもちょうどよい。
― あれ?これはいいかもしれない。
すぐに会うことになり、私たちは代官山のビストロで初デートをした。
先に私がお店に着いていたので、カウンター席のどちらに座るか少し悩む。レストランではエスコートされる側なので奥側がいいかなと思い、座って待っていると、辰哉がやってきた。
「辰哉さん…ですか?」
「はい、若葉さんですよね。初めまして」
立ち上がってお辞儀をしてみたが、写真の印象より身長が高い。これも高ポイントだ。
しかも辰哉は話し上手なだけでなく、色々と嬉しいこともサラリと言ってくれる人だった。
「写真も可愛いけど、実際はもっと可愛いですね」
「いえいえ。辰哉さんのほうこそ。身長高いんですね」
「そうなのかな。一応185cmくらいはあるけど…。若葉さん、何飲みますか?ワインお好きなんですよね?」
「はい、ワインが好きです。覚えていてくださったんですか?」
メッセージで軽く触れた程度だったと思うのに、私が言ったことを覚えてくれていた辰哉。これは女性からすると、かなり嬉しい。
「若葉さん、ワインが好きと言っていたなと思いまして」
「覚えていてくださりうれしいです!」
「何飲みましょうか?」
「…お任せしちゃってもいいですか?」
「わかりました!どんな感じのワインが好きですか?」
そこからぽんぽんと話は弾み、私たちは初めて会ったとは思えないくらいに会話が盛り上がった。
「じゃあ辰哉さんはずっとサッカーをしていたんですか?」
「そうそう。若葉ちゃんは何かスポーツはしていたの?」
「私は高校時代は帰宅部でした(笑)」
「帰宅部って言葉、懐かしいね〜」
些細なことでも笑って盛り上げてくれる。それにとにかく話し方も優しくて、一緒にいると楽しい。
「辰哉さんって、すごく話しやすいですね。それに面白いし」
「そうかな?関西出身だからかな」
「あ〜ナルホド。それもあるのかも」
「なんで今、彼女いないんですか?こんな素敵なのに」
「いや、何でだろう…。そういう若葉ちゃんのほうこそ」
少しの沈黙が流れる。
今彼がフリーなのは相当ラッキーなことな気がする。だってこんなにも良い人、なかなか出会えないから。
そしてお会計を終えて外に出て、路地裏を歩いていると、不意に彼はぎゅっと私を抱きしめてきた。でも、この時は辰哉を愛おしいと思った。
「辰哉さんといると楽しいな」
それは本心だったし、このまま順調に行けば交際するのかなぁと心のどこかで思いながら、私は彼の背中に腕を回す。
「次はいつ会えますか?」
「いつでもいいよ!」
まだまだ一緒にいたかったけれど、大通りに出るとたくさん空車のタクシーが走っており、私は辰哉が止めたタクシーに乗り込んだ。
― 楽しかったな。
車内で、淡くて優しい気持ちに包まれる。
ただ二度目のデートで、私のこの想いは幻想だったのかもしれないと思うことになる…。
一度目は良いのに、ナゼ二度目はできない!?女が幻滅した理由
A2:せめて二度目のデートまで、頑張ってほしかった…
すぐに会う約束をしたので、二度目のデートは早々にやってきた。期待に胸を膨らませながら、彼が予約してくれたお店へと向かう。
けれども意外にそのお店がわかりづらく、私は少し道に迷ってしまった。
ようやく辿り着いたものの、お店の扉を開けて最初に目に入ってきたのは、予想外の光景だった。
それは、カウンターの奥の席に座っていた辰哉の姿。格式高い店ではないから上座などないのかもしれないけれど、デートでは女性を奥に座らせてほしい。
周りを見渡しても、他のお客さんはちゃんと女性が扉から見て奥の席に座っている。
「遅くなってごめんなさい!」
少し恥ずかしいなぁと思いながら席に着くと、辰哉は彼が先に頼んでいたビールを飲みながら楽しそうにしている。
「いやいや、全然大丈夫。何飲む?」
「どうしようかな。辰哉さん、ビールですか?私も一杯だけ、ビール飲もうかな」
「いいね。お店の場所大丈夫だった?」
「はい。ちょっと迷いましたけど大丈夫でした!」
私が道に迷っているから、お店から出てきて迎えに来てくれる…なんてことは、もちろんなかった。
また、二度目のデートで彼の本性が露呈した。
「どうしようか。次ワインにする?グラスでもいいけど、たぶんボトルのほうがいいよね」
「そうですね、私たちよく飲みますし」
そう言うと、さっさとひとりでワインをお店の人にオーダーし始めた辰哉。
「じゃあ白の辛口系で…」
ワインをオーダーしてくれるのは嬉しいし、焼き鳥のメニュー的に白ワイン一択なのかもしれないけれど、せめて白か赤かくらい聞いてほしかった。
「どうした?」
「いや、鼻筋が綺麗だなぁと思って」
適当に誤魔化しながら、モヤモヤは広がっていく。そしてトドメは、お会計の時だった。
「時間が経つの、あっという間だな」
「本当ですね…って、お会計だ。この前も払っていただいたのにすみません」
前回、辰哉が全額支払ってくれた。なのでお礼を兼ねてこう言ったつもりだったけれど、彼は違う意味に捉えたようだ。
「いやいや、いいよ全然。でもそしたら4千円だけもらおうかな」
― え?あ、払うんだ…。
払うのは構わない。けれども一度目は払ってくれたわけだし、今日はまだ交際前の二度目のデート。
せめて今回くらい、頑張ってほしいと思うのは高望みなのだろうか。
そしてお店を後にした途端の、辰哉のこのセリフに私はただ幻滅しかしなかった。
「若葉ちゃん、このあとなんだけどさ…。飲む場所もないし、うちでどうかなと思って」
お金も払わない、デートのマナーもない。それでいて、あわよくば家に連れて行こうとする辰哉に対し、小さな怒りさえ湧いてくる。
― この人、やるべきことはしないのにワンチャン狙い??
せめて交際前までは頑張ってほしいし、きっと付き合った途端に”餌をやらない”タイプだろう。
大人になって男性を見る目が厳しくなっているせいかもしれないけれど、ちょっと違うなぁと思い、私は辰哉を本命候補からキープリストへと移動させた。
▶【Q】はこちら:あんなに熱い抱擁をしたのにナゼ…?二度目のデート後、急に女性がそっけなくなったワケ
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「彼の考えていることがわからない…」と悩む女