身も心も温まる「高野豆腐のほっこりシチュー」【秋元シェフ考案】
豆腐好きにはたまらない!高野豆腐のほっこりシチュー【有名シェフのお助けレシピ】
安くてヘルシーで、何かと使い勝手のいい豆腐。なかでも、豆腐を凍らせたあとに乾燥させた「高野豆腐」は、長期保存できる便利な食材としてご家庭に常備している人も多いのではないでしょうか。
「高野豆腐を、王道フランス料理の『フリカッセ・ド・プーレ』 にアレンジしました。いわゆる鶏肉のクリーム煮のことです。なぜこの料理を選んだかというと、豆腐を使うときに見た目にも味にも違和感がないからです。
牛乳やクリームは使わずに豆乳で仕上げます。高野豆腐ならではのジューシーな食感と、豆乳のサラッとした味わいがポイントで、ずしっと重くなく、あっさり食べられます。高野豆腐の甘味もプラスされるので、とてもまろやかな味わいに仕上がりますよ。
高野豆腐は乾燥した状態のまま使います。水戻しの手間も減りますし、煮込む過程で鶏肉の油や旨味をたっぷり吸ってくれますよ」
材料(4人分)
調理時間:30分
・高野豆腐……3枚
・鶏もも肉……1枚(200g)
・塩……ひとつまみ
・こしょう……少々
・オリーブオイル……大さじ1/2杯
・玉ねぎ……1/2個(150g)
・にんじん……1/3本(80g)
・じゃがいも……1個(150g)
・塩……ひとつまみ
・白ワイン……大さじ2杯
・バター(無塩)……30g
・薄力粉……30g
・塩……小さじ1杯
・水……800cc
・無調整豆乳……100cc
・芽キャベツ……4個(スナップえんどう、ブロッコリーなどでも代用可)
下ごしらえ
・乾燥状態の高野豆腐に包丁で切れ込みを入れ、手でひと口大に割る
・芽キャベツを半分にカットし、塩ゆでするか電子レンジで加熱する
・玉ねぎは薄切り、にんじんは1.5~2cmの角切り、じゃがいもは3cmの角切りにする
作り方
1. 鶏もも肉を焼く
鶏もも肉に塩、こしょうで下味をつけたら鍋にオリーブオイルを引き、皮目だけ焼きます。強火で焼きはじめ、鍋の温度が上がってきたら中火にして皮から油が出てくるまでじっくりと加熱します。
鶏の皮には糖分が多く含まれていて、下味に使うこしょうも焦げやすいスパイスなのだそう。秋元シェフは、焦げ付いていないか何度か裏返して確認し、火加減を調節しながら焼いていました。
「皮目だけ焼いて油を出すことで、鶏肉に旨味を閉じ込めることができるんです。旨味をできるだけ逃したくないので、鶏肉はあえて切らずに焼きます」
しっかり油が出て皮全体がきつね色になったら、鶏肉を鍋から取り出し、2cm大に切り分けます。
「油には鶏肉の旨味が溶け出してるので、捨てないでそのままにしておいてくださいね」
2. 野菜を炒める
鶏肉から出た油を利用し野菜を炒めます。玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを鍋に加え、塩をふって5~6分ほど中火で炒めます。
「鶏の油は焦げ付きやすいため、かき混ぜながら炒めてください。野菜が不ぞろいな乱切りだと和食っぽい雰囲気になってしまうので、できればきれいな角切りにするのがおすすめです」
3. 白ワインを入れる
玉ねぎがしんなりしてきたら、中火のまま白ワインを入れます。一瞬加熱してアルコールを飛ばし、すぐに火を止めます。
「旨味を足すために白ワインを加えますが、なければ入れなくても大丈夫です」
4. バターと薄力粉を入れて混ぜる
火は消したままバターを加え、余熱で混ぜ溶かします。
バターが溶けたら薄力粉を入れ、水100ccを何回かに分けて入れながら全体を混ぜ合わせます。このときも火は止めたままです。
「鍋の中でルーを作るイメージです。加熱しながらだとダマになりやすいので、火は必ず消しておいてください。みそを溶くようなイメージで水を少しずつ加えながら、目に見えるかたまりがなくなるまで混ぜます」
5. 鶏肉を戻す
ひと口大に切った鶏もも肉を鍋に戻します。鶏肉は、バターと薄力粉を入れる前に鍋に戻しても大丈夫だそうです。
6. 点火して水を入れる
再度火をつけて、全体をざっくりと混ぜながら少し加熱します。全体にとろみがついてきたら、残りの水700ccを一気に加えます。
「小麦粉にしっかり火が入らないと、とろみはつきません。鍋底のソースがふつふつと沸いてきたら薄力粉に火が入った証拠なので、目安にしてください」
7. 高野豆腐と塩を加えて煮込む
高野豆腐、塩小さじ1杯を入れ、中火で10分煮込みます。
「塩が入っていないスープで煮込むと高野豆腐がはっきりしない味に仕上がってしまうので、塩を加えるのを忘れないでくださいね。
この時点では鶏肉にまだ完全に火が入っていません。煮込む途中で鶏肉から旨味が出てきて、それを高野豆腐が吸ってくれますよ」
8. 豆乳と芽キャベツを加える
10分煮込んだら、豆乳と塩ゆでしておいた芽キャベツを加え、ひと煮たちさせて火を止めます。
「豆乳を入れてから煮込むと分離しやすいので、豆乳は食べる直前に入れてください。何回かに分けて食べる場合は、その都度食べるぶんだけ再加熱して、直前に豆乳を入れて仕上げるのが理想です」
豆腐の風味や食感を存分に楽しめるシチュー
高野豆腐と豆乳の甘味の中に、鶏肉や野菜の旨味がじゅわっと溶け込んだシチューのできあがりです!使う調味料が塩とこしょうだけとは思えない深みのある味わいに、取材陣は驚きを隠せませんでした。
「青みを足すために入れた芽キャベツは、ブロッコリーやさやいんげん、スナップえんどうなどを使ってもいいですね。ほかの具材も、家にある野菜でアレンジしてみてください。かぶ、大根、ごぼう、れんこんなどの根菜類が特においしいです。
高野豆腐がなければ、絹豆腐や木綿豆腐でももちろん大丈夫。豆腐を使う場合は、豆乳を入れるタイミングで加えてください」
高野豆腐はクリーム味とも相性がよいという新発見!普通のシチューと比べてあっさりしていてヘルシーなので、ダイエット中でも罪悪感なく食べられそうです。
教えてくれた人
取材協力
店舗名:モルソー
電話番号:03-6550-8761
最寄駅:東京メトロ千代田線・日比谷線 ・都営地下鉄三田線 日比谷駅直結東京メトロ有楽町線 有楽町駅徒歩4分東京メトロ丸ノ内線・日比谷線・銀座線 銀座駅徒歩5分JR山手線・京浜東北線 有楽町駅徒歩5分
郵便番号:100-0006
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 2階
市区町村:千代田区
町域:有楽町1-1-2 2階
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O.14:00)ディナー 18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:なし
取材・文/小原らいむ
撮影/木下 誠