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「挑戦」しつづけて未来へ!

2022年北京五輪が幕を閉じました。17日間+αの短くて長い日々。東京五輪からわずか半年という期間でもう一度五輪がやって来るという未曽有の事態は、自分個人としてもチャレンジングな出来事でしたが、これまでと変わらず、これまで以上の意欲で、楽しむことができたと思います。この五輪に携わったすべての人たちへ、「お疲れ様でした」の気持ちを送りたいと思います。

20日の閉会式、会は簡素で厳かなものでした。華美な演出もなければ、富や権力を見せつけるようなところもありません。花火の数がべらぼうだなと思うくらいで、とても穏やかでいい式典でした。たとえば、子どもたちが主役となったオープニングの演出では、世界をつなぐ組紐をARで表現していました。どでかい実物を作ることもできそうな内容でしたが、技術を用いて実現しました。無駄のない華やかさだったなと思います。



閉会式ではおなじみの、旗手から入場し、選手団が国や地域の区別なく入ってくる選手入場。最終日まで日本を熱く盛り上げてくれた選手たちがその場を存分に楽しんでいます。カーリング女子ロコ・ソラーレ、大快挙の銀おめでとう。フィギュアスケートの選手たち、団体戦メダル、個人戦メダル、素晴らしい自己ベストおめでとう。スピードスケートの選手たち、たくさんのメダルと好記録おめでとう。きっとすべての選手たちが何らかの「おめでとう」を抱えているのでしょう。本当にお疲れ様でした。おめでとう。ありがとう。

日本選手団でひときわのはしゃぎっぷりを見せていた坂本花織さんには、もうひとつ重ねて「本当にありがとう」を贈りたい。この大会の最大の関心事となってしまった残念な出来事が、かおちゃんの演技でどれだけ救われたことか。異様で薄暗い雰囲気を、かおちゃんの笑顔と自由さと明るさがキレイに掃ってくれたように思います。この大会を振り返るときに、かおちゃんの笑顔がそこに残されたことは、日本だけでなく世界の宝物だったと思います。本当にありがとう。

↓チームジャパンの皆さん、お疲れ様でした!ありがとう!


思い思いにその場を楽しむ選手たちは記念撮影や交流に励んでいますが、いつしかフィールド中央ではフランスと日本の選手団が輪になって踊り始めました。そこにほかの選手団もばらばらと加わり、さらに大きな輪ができました。まさに「WAになっておどろう」です。世界が輪となり、その内側でフランスと日本が輪を作る姿は東京からパリへとエールを交換するようでもあり、とても晴れがましい気持ちになりました。

↓僕のなかの長万部太郎も世界に広がる友だちのWAを喜んでいます!


↓閉会式でも引きつづき風邪ひきそうな格好ですが、サモアの旗手は元気です!

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選手入場を終えると、式のつなぎとしてハイライト映像により大会を振り返っていく時間に。日本の羽生結弦氏の4回転アクセルへの挑戦も大きく取り上げられており、この挑戦は世界の人の心を動かしたのだと改めて噛み締めます。今大会はそういった「挑戦」がとても注目された大会でしたが、運営側としても何かを感じていたのかもしれません。

つづいて式典はスキークロスカントリーの表彰式へ。ROCの選手が金メダルを獲得したときにチャイコフスキーが流れるのは、致し方ないことですが、閉会式で改めて小言でもしているような気持ちになりました。一日も早くそうなってしまっている状態を解消し、もうそういうことが起こらないような状態に至れるよう、ROCには努めてもらいたいなと思います。こちらはチャイコフスキーの名曲を聴くのはやぶさかではありませんが、選手たちは寂しいだろうと思いますので。

スタンド全体に大きなハートを描きボランティアのみなさんへの感謝を示したあとは、再び映像によって大会を振り返るつなぎの時間。羽生氏の4回転アクセルなどの演技映像のみならず、平野歩夢さんのトリプルコーク1440や、初の準々決勝進出を決めたアイスホッケー女子スマイルジャパン、トリプルアンダーフリップに挑戦した岩渕麗楽さんの姿などもしっかりとおさめられています。必ずしも勝った者だけではないセレクトですが、大会を通じて感じたものとしっかり符号しています。確かにこんな大会でした。

そして、開会式で揺れた柳がフィールド全体に広がり、柳を手にした人たちが散らばっていく短い演出を挟んで、今大会の映像が再び流れます。そこには喜びや悲しみを抱き合って共有する選手たちの姿が。この瞬間を共有することの喜びや素晴らしさ、それを世界に広げていくことの価値を、選手たちのハグと、世界に広がる柳で示しているのでしょう。小林陵侑さんを抱きかかえる日本のジャンプチームや、ロコ・ソラーレの姿もそこに加わっていました。そういう場面を日本の選手たちも残してくれたこと、素晴らしいなと思います。



ギリシャ国歌の演奏と国旗の掲揚。オリンピック賛歌の斉唱から始まる、次回2026年のミラノ・コルティナダンペッツォへのオリンピック旗の引き継ぎとつづく式典。ミラノ・コルティナ大会のお披露目の演目では、初となる2都市での共同開催というものをテーマに、ミラノのモダンで美しい街並みと、コルティナの雄大な冬景色とが交互に映し出されます。やがて映像のなかにいた両都市の若者は北京のフィールドに現れ、共に踊ります。2つの都市による共催という新しい挑戦、成功すればいいなと思います。

↓2024はまだ確信を持てませんが、2026は華やかにできるといいなと思います!


大会組織委員会会長のあいさつとIOCバッハ会長の閉会宣言を経て、聖火が消され、式典はわずか1時間半ほどで閉幕しました。最後に1分半打ち上がりつづけた花火の大乱舞を除けば、大変コンパクトで簡素な式典でした。これもまたいいものです。ゴージャスパーティーではないセレモニーにもよさがあり、色々あるのがいいなと思います。いいセレモニー、いい閉会でした。

↓ありがとう北京!また来月、パラリンピックで会いましょう!






2021年の東京五輪からわずか半年での北京五輪。かつてない密度で五輪について考える機会の多い時間でした。五輪で放たれる選手たちの「光」、その価値についても漠然と感じていたところから、より深く理解度を高めていった時間だったなと思います。選手たちが描く「夢」があり、「目標」としての五輪があり、それを目指す「頑張り」があり、世界に「光」が放たれる。その「頑張り」の部分について、北京五輪は一段深い理解を僕に与えてくれた気がします。

よく聞く言葉に「結果を出す」というものがあります。僕はこの表現が嫌いです。この表現は基本的に成功する話にしか使われていません。「結果=よい成績」という前提になっており、何だかイヤな気持ちになる言葉でした。ただ、一段深い理解をした今は、言葉の運用の仕方が間違っていたのだと気づきました。

今大会、選手たちはたくさんの挑戦をしました。報われる者もいれば、報われない者もいました。報われない者は「結果を出せなかった」という表現で語られるのかもしれませんが、実際に見る彼らの姿は哀れなものではなく、称賛と喝采に満ちていました。いい成績の人はもちろん盛大に讃えられますが、そうではない人もやはり讃えられるのです。

スピードスケートの小平奈緒さんは1000メートルのレースを終えたあとこう言っていました。「成し遂げることはできなかったけれど、自分なりにやり遂げることはできた」と。1月に足を捻挫し、絶望的な状況で五輪を迎えていたという小平さんは、順位は振るわず、自分のスケートはできませんでした。連覇もメダルも成し遂げられませんでした。ただ、目指してきた五輪で自分の滑りをやり遂げ、17位と10位になりました。

それが小平さんが出した「結果」です。

小平さんはちゃんと五輪を目指してきた日々の「結果を出した」のです。よくない滑りではあったけれど、目指してきた場所で、自分が迎える決着までたどり着いたのです。「成し遂げる=成功・勝利」することはできなかったけれど、「やり遂げる=結果を出す」ことはできた。「結果を出す」はいい成績に限られることではなく、途中で投げ出したり諦めたりせず、どんな形にせよやり遂げて、目指してきた日々に決着をつけることそのものを指す言葉であるべきだったのです。

もしも選手たちに高めてきた体力や技術があり、思い描いていたプレーや演技があるならば、それに挑戦して、その結果を見届けなくてどうしましょう。目指してきたものに挑戦しなかったら、それまでの頑張りはどうなってしまうのでしょう。挑戦せずに止めてしまうのは、挑戦して破れることよりも遥かに報われない行為です。自分自身の頑張りに「結果を出して」あげないでどうすれば報われるものか。

挑戦して成し遂げた人はもちろん尊い。

成し遂げられずとも、挑戦をやり遂げた人はやはり尊い。

目指してきたものに挑戦せず、何の結果も出ない人は何よりも報われない。

4回転アクセル。トリプルコーク1440。トリプルアンダーフリップ。キャブダブルコーク1260。スピードスケート5種目出場。今大会はたくさんの大きな「挑戦」がありました。これらに限らず選手たちはそれぞれに「挑戦」をしていました。成し遂げても成し遂げられなくても、やり遂げた人ばかりでした。これだけたくさんの挑戦する人たちを見たあとで、自分も何かやってやろうと思う元気や、失敗してもカッコいいのだから恐れずいこうという勇気が湧いてくるのは当たり前だろうと思います。

挑戦する心の尊さ、改めて感じる五輪でした。

成し遂げられないまでも、やり遂げられる人間ではありたい、そう思いました。

少しでも前へ、高みへ、未来へ、挑戦すること。

それが「頑張る」ということなんだなと。

さぁ、憂鬱な月曜日、心に火を灯して頑張りますかね。



ときにある心が動かされない勝利には挑戦が欠けているのかもしれませんね!