男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:あの時、どうすれば良かった?お互い好意アリで何度もデートを重ねたのに、結ばれなかった理由




「またダメだった…」

勇也とデートをするようになって、約半年が過ぎた。でも最後に連絡を取ってから、もう2週間も経つ。

彼からの連絡を見過ごしていないか、最近、何度もLINEをチェックしてしまう。でもアパレルブランドや新しいスタンプの宣伝はどんどん溜まっていくのに、彼からのメッセージを知らせる通知は一向にこない。

今度こそ、最後の恋だと信じていた。

勇也は37歳のバツイチで、私は34歳。当然のことながら結婚も視野に入っていると思っていた。

最初のうちはうまくいっていた。毎週末彼の家で一緒に過ごし、愛し合っていた私たち。

しかし1月にまん防が発令されて以降外出を控えているせいなのか、彼は急に冷たくなった。

― これも全部、コロナのせい??

そう思わないと、やってられないほど、34歳での失恋は想像以上に心がエグられた。


半年もずっと会っていたのに、男が急に連絡をしなくなった理由は?


Q1:そもそも、男が女性に惹かれた理由は?


勇也とは仲良しの女友達の紹介で出会った。

最初から彼のことを好きだったわけではない。そもそも私は身長が高くて骨格もいい、少しがっしりとした人が好きだけど、彼はその正反対。

身長はどちらかというと小柄で華奢。色白だし、性格もマイルドで私のタイプとは違っていた。

だから最初のうちは、食事の誘いを断っていた。

でも諦めずに何度も勇也のほうから誘ってくれ、一度2人で食事へ行ってちゃんと話してみると、すぐに仲は深まった。

「え、じゃあ離婚の原因は奥様の浮気だったんですか…?」
「そうそう。恥ずかしい話だけどね」

勇也は3年ほど前に離婚していた。

結婚生活の話はなかなかハードな内容だったけれど、勇也は包み隠さず話してくれ、それも彼に好意を持つ要因の1つになったのかもしれない。

「最初はわからなかったんだけど。だんだんと帰りが遅くなって、最後には朝帰りが多くなって」
「そ、そんなことあるんですね…」

“私だったらそんなことしないのに”と言いたい気持ちをグッと抑える。

この時はまだ私たちは恋人同士でも何でもなかったため、そんなことを言うのは得策ではないと咄嗟に判断したから。

しかし勇也のほうから、こんなことを言ってくれた。

「理央ちゃんだったら、絶対そんなことしなさそうだよね」
「うん、私は浮気はしないかな。どちらかと言うと好きになったらまっすぐで、他の人とか目に入らないタイプだから」
「そうなんだ。次はそういう子と付き合いたいな」

純粋に、勇也の言葉が嬉しかった。どこまで本心なのかはわからなかったけれど、少なくとも…いや多少は、私に好意があるから言うことだろう。

「いやいや、勇也さんモテると思うしすぐに彼女できそうだけど」
「理央ちゃんは?今彼氏いないの?」
「私はいないけど…」
「理央ちゃん。僕と付き合ってほしい」

こうして、私たちは彼氏彼女という関係になった。




付き合った当初は、外食もしていた。でも11月に入ると勇也が「動くのが面倒」という理由で、徐々に家での食事が増えた。

でも、それでも私は良かった。広くて快適な勇也の家は嫌いじゃなかったし、おうちだと自分たちの好きなタイミングで、食べたい物を作れる。

例えば、土曜日の夕方。寒い日だったのでお鍋にしようと話していたとき、冷蔵庫を開けた勇也がのんびりした口調で言う。

「あ…。肉がない」
「本当だ。私、買ってこようか?」
「いいの?外寒いよ」
「うん、スーパーここから5分くらいだし。ちょっと待ってて。他に何かいる物ある?」
「ビールもあれば嬉しい!」
「OK」

まるで新婚のような会話。それ自体も楽しかったし、このままずっと順調に関係を築いていけると思っていた。


平和だったはずの2人に訪れた突然の変化。男が連絡をしなくなった理由は…


Q2:男が連絡をしなくなった最大の理由は?


私たちの関係に暗雲が立ち込め始めたのは、去年の12月半ばくらいだっただろうか。

この日も週末だったので、いつも通り食材を買ってから彼の家に向かっていたのだけれど、途中でLINEが入った。

― 勇也:ごめん、今日は食欲がないから夕飯は軽めでいいかも。


勇也からのLINEを見て、私は思わず「え?」と道端で叫ぶ。

スーパーから彼の家まで徒歩5分とはいえ、荷物は重い。それに、もし夕飯がいらないなら、買い出しをする前に言ってほしかった。

けれども私も聞かなかったわけだし、怒るに怒れない。

― 理央:そうなんだ。わかった。今向かってるけど、無理して食べなくてもいいよ。それより体調大丈夫?


我ながら、なんてできた彼女なのかと思う。怒らずに、相手に気まで使えている。勇也は絶対に私のことを褒めてくれないから、自分で褒めるしかない。

そんなことをひとりで考えていると、いつの間にか勇也のマンションの1階に着いていた。

私は“彼女”だけれど合鍵はもらっていなかったので、毎回エントランスと、玄関のインターホンを押さないと彼の家へは上がれない。

重い買い物袋を持ちながら、少しだけ虚しくなる。

でもこれで結婚できなかったら、私の今までの努力は水の泡になる。

― だから頑張らないと…。

そう自分を奮い立たせつつ、エレベーターの中で笑顔を作った。




「いらっしゃい」
「勇也、体調はどう?」
「体調?全然普通だけど」

ドアを開けた勇也は、だらっとしたスウェット姿だった。

― スウェットということは、今日も外には出ない感じだよね。

少しがっかりしながら、こういう気持ちを歌った曲があったよな、とふと思う。

年末だったし、この時は新型コロナの感染者数もかなり減っていたので、たまには外食したい気分でもあった。ただ勇也は家で過ごすのが好きと知っているから、おとなしく彼のポリシーに付き合うしかない。

「勇也、作り置きしておいたら明日とかに食べる?」
「うーん、どうだろう」
「残り物食べないもんね…でも一応作っておくから、気が向いたら食べて」
「ありがとう!ごめんね」
「何が?いいの、勇也の喜ぶ顔が見たいだけだから」
「理央って本当にいい女だね」

せっせと料理をし、優しく接していた。今振り返ってみても、かなりいい女ではないか。

「理央、この映画見ない?」
「うん、いいね」

彼の家で、のんびり映画を一緒に見る。最高に幸せな時間だった。しかし年末にかけて連絡も減り、まん防が出てからさらに連絡が来なくなった。

― 理央:勇也、大丈夫?体調悪くて倒れてたりしないよね?


心配になって連絡をしてみる。既読はすぐについたのに、返信が来たのは3日後だった。

― 勇也:全然大丈夫だよ。コロナにも罹ってないし、いたって健康。
― 理央:そっか変なこと聞いてごめん。でも良かった。心配したよー 汗。次はいつ会えるかな?予定合わせる^^


しかし結局、私が送ったこのLINEに対して、返信はいまだにない。

― なんで?私が何をしたの??

他に好きな人ができたのか?それとも外出や人との接触を避けているのか…。

彼女なのに既読スルーされる理由が分からず、モヤっとしている。それと同時に、かなり傷ついている自分がいる。

▶前回:あの時、どうすれば良かった?お互い好意アリで何度もデートを重ねたのに、結ばれなかった理由

▶NEXT:2月20日 日曜更新予定
男の態度が急に冷たくなった本当の理由は?