ベルギー政府が2月15日に、労働者が給料を減額されることなく週4日勤務にすることを可能とする労働政策を発表しました。

Belgium permits four-day week to boost work flexibility post COVID | Reuters

https://www.reuters.com/business/belgium-permits-four-day-week-boost-work-flexibility-post-covid-2022-02-15/

Belgium’s 4-Day Work Week Deal Sets Goal to Raise Employment Rate to 80% - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-02-15/belgians-can-work-4-day-week-as-full-time-employees-in-new-deal

Belgium approves four-day week and gives employees the right to ignore their bosses after work | Euronews

https://www.euronews.com/next/2022/02/15/belgium-approves-four-day-week-and-gives-employees-the-right-to-ignore-their-bosses

ベルギーでは2月4日に、勤務時間外の連絡への対応を拒否できる「つながらない権利」が労働者に認められました。この発表声明の中でベルギー政府は、労働者の出勤を週5日から週4日にする改革案も検討中だということも明かしていました。

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そして、ベルギー政府は15日に硬直化した労働市場に柔軟性をもたらすことを目的とした新たな労働協定により、労働者に週4日勤務を認めると発表しました。ピエール=イヴ・デルマーニュ副首相兼労働大臣によると、雇用者は週の労働日数を減らすよう求める従業員の要請を拒否することも可能ですが、その場合は書面で合理的な理由を説明する責任を負うとのことです。

アレクサンダー・デ・クロー首相は週4勤務を認めた理由について、「国民と企業が労働時間をより自由に調整できるようにすることが狙いです。他国と比べると、我が国の働き方はダイナミックさに欠けているところが見受けられます」とコメントしています。

この発表により、労働者はこれまで通り週5日出勤するか、1日の労働時間を増やす代わりに週4日勤務にするかを選択できるようになります。また、従業員は週4日の勤務を6カ月間試してみて、合わないと感じたら週5日勤務に戻すことも可能です。



今回の労働改革パッケージにはほかにも、2月4日の発表の際には政府の職員のみが対象となっていた「つながらない権利」が20人以上の従業員がいる民間企業にも適用されることや、Uberなどのいわゆるギグワークで働く人を個人事業主ではなく従業員と認める規定なども盛り込まれました。

Bloombergによると、ベルギーでは20歳〜64歳の人のうち就労者は約71%で、ユーロ圏の平均の約73%よりも低く、特にオランダやドイツといった近隣諸国に比べると10ポイントも低い水準にとどまっているとのこと。そのためベルギー政府は、2030年までに就労率を80%にすることを目標に掲げています。