1月29日と30日、大田原市内で開かれた将棋の王将戦。

4連覇を狙う渡辺明王将相手に、藤井聡太竜王が激戦を制し3勝。史上最年少五冠に王手をかけました。

対局の内容もさることながら、2人が食べたグルメにも注目が集まり、にわかに盛り上がりを見せています。

大田原市のホテル花月で行われた将棋・王将戦七番勝負の第3局。

2日間に及ぶ対局は135手で藤井竜王が渡辺王将に勝利、3戦3勝で王将のタイトルにあと1勝と迫りました。

最年少五冠の達成を目前にしSNSなどで盛り上がりを見せているのが2人が口にした「勝負めし」。

藤井竜王は初日に「ステーキ重」、2日目に「ビーフカレー」を渡辺王将は初日も2日目も「ビーフカレー」をチョイス。

メニューに共通する食材は牛肉です。

大田原ブランドに名を連ねる「与一和牛」を使った、ホテルの特別メニューです。

さて、この与一和牛、いったいどのような牛肉なのでしょうか。

与一和牛の特徴は鮮やかなピンクに網の目のように入ったサシ。

大田原市産の最高級「A5ランク」の黒毛和牛にのみ与えられた称号、絶品グルメです。

口当たりの良さの秘訣は「オレイン酸」などの不飽和脂肪酸が含まれる割合。

大田原の自然豊かな環境で丁寧に飼育されて深い味わいの牛肉が生産されています。

生産者にして、与一和牛ブランド立ち上げの発起人、新江和平さんです。

黒毛和牛の生産を手掛ける新江さんは2012年から与一和牛のブランド化に向け、取り組みを始めました。

2015年、念願の商標登録にこぎつけ、東京食肉市場で銘柄牛として認定を受けました。

牛肉の生産を巡っては狂牛病や口蹄疫、原発事故、そして新型コロナなどこれまでさまざまな災難に見舞われてきました。

数々の逆境も乗り越え、与一和牛の普及に向けて日々、愛情を込めてウシたちを飼育しています。

扇の的を射抜いた那須与一の名を冠する与一和牛。

一発必中の験をかつぐ「勝負めし」として今後も注目を集めそうです。